西岡家住宅とは
西岡家住宅は、高知県安芸郡安田町大字安田にある明治20年(1887年)頃から昭和中期にかけての屋敷で、主屋・離れ・蔵・門及び塀の4件と西岡呉服店店舗の計5件が、平成19年(2007年)10月2日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「にしおかけじゅうたく」。安田の旧町のほぼ中心に位置する。
文化庁の登録名称は「西岡家住宅」の4件と「西岡呉服店店舗」の1件に分かれている。それでも5件は地番が同じ安田1807で、登録日も同じ、登録番号は39-0216から39-0220まで途切れずに続く。先頭の39-0216が呉服店の店舗である。本サイトでは、通りに面した店と、その奥の住まいをひとまとまりの屋敷として扱っている。
名称の一致から同じ西岡家の店と住まいとみられるが、店と家の関係や商いの沿革を説明した公的な資料は見つからなかった。登録基準は5件とも「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。
屋敷の配置
文化庁の解説を重ねていくと、西岡家住宅の敷地の組み立てが見えてくる。屋敷は東の道路に表を向ける。西岡呉服店店舗は角地に建ち、やはり東を正面とする。
主屋は道路から前庭を隔てて東向きに建つ。その前方、道路から少し奥まった位置に門を構え、門の両脇から弧を描いて延びる袖塀が通り沿いの塀につながる。離れは主屋の背後、敷地の西の端にあり、蔵は離れの北、敷地の北側を通る道に接して建つ。
通りに近い側に店と門、奥へ進むにつれて住まい、客座敷、蔵が並ぶ。町なかの商家らしく、表で商い、奥で暮らす配置である。
三つの時期にまたがる5件
西岡家住宅の5件は、建てられた時期がそろっていない。西岡呉服店店舗・主屋・蔵の3棟は明治20年(1887年)頃、門及び塀は昭和初期、離れは昭和28年(1953年)頃の建築とされる。明治の店と住まいに、昭和の初めに門構えが加わり、戦後に客用の離れが建った順になる。
時期は違っても、屋根はいずれも桟瓦葺で、壁には漆喰を用いる。主屋の外壁は土佐漆喰、蔵と離れは壁に水切り瓦を見せ、雨の多い土佐の町家の作法が明治から昭和まで続いている。一方で門と塀は鉄筋コンクリート造で、昭和初期の新しい材料がこの屋敷にも入ってきたことが分かる。
見学案内(公開状況・アクセス)
西岡家住宅は個人の所有で、一般公開の案内は見当たらない。建物の内部には入れず、敷地にも立ち入れない。見学は道路からの外観に限られるので、住む人の暮らしの妨げにならないよう、通りから静かに眺めたい。
最寄り駅は土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の安田駅。同じ旧町の中にある安田まちなみ交流館・和は、施設の案内で駅から徒歩約15分とされており、西岡家住宅もこの町並みの中にある。西岡家住宅に見学者向けの駐車場の案内はない。
高知県内の登録有形文化財を一覧にした県の資料でも、安田町には西岡家住宅のほか商家や寺の建物が並んでおり、町並みを歩きながら順に外観を見ていく形になる。なお、同じ「西岡家住宅」の名をもつ屋敷は茨城県桜川市真壁や佐賀県嬉野市塩田にもあるが、いずれも別の物件である。
参考文献
- 西岡呉服店店舗(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006348
- 西岡家住宅主屋(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006345
- 西岡家住宅離れ(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006346
- 西岡家住宅蔵(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006347
- 西岡家住宅門及び塀(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006349
- 国登録有形文化財<建造物>(高知県 歴史文化財課)
- https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/2023062200186/
- ご利用について・アクセス(安田町まちなみ交流館・和)
- https://yasuda-nagomi.com/guide.html
最終更新日: 2026.09.28
基本情報
| 名称 | 西岡家住宅 |
|---|---|
| 所在地 | 高知県安芸郡安田町大字安田1807 |
| 指定 | 登録有形文化財 5件 |
| 座標 | 33.43783, 133.98108 |