水切瓦とは

水切瓦は、土蔵や民家の漆喰壁の途中に、小さな瓦を水平に一段から数段取り付けたものである。壁の面から瓦が小さな庇のように張り出し、壁を伝って流れ落ちる雨水を途中で外へ切り落とす。雨に弱い漆喰壁を長持ちさせるための工夫である。

台風が多く雨の強い高知県に特に多く、土佐漆喰の白壁に水切瓦が何段も並ぶ姿は、室戸市吉良川町などの町並みを特徴づけている。高知県以外でも、壁の雨仕舞いのために同じ工夫をした例がある。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では、水切瓦の段数や位置が書かれる。高知県安芸市の森澤家住宅北蔵は、東半を米蔵、西半を道具蔵とする切妻造の2階建で、上部の漆喰壁に水切瓦を4段取り付け、地方色のある意匠とすると記録される。室戸市の資料は、吉良川町の浜地区に土佐漆喰による塗屋造り、水切り瓦や煉瓦を用いたつし二階の町家が建てられたと説明している。

記録では「水切」とだけ書かれる場合もあり、これは瓦に限らず、漆喰の段や板などで壁の雨を切る部分全般を指すことがある。記事では記録の表記に従い、瓦かどうかは写真で確かめたい。現地では、白い壁の途中に水平の瓦の列が何段も並んでいれば水切瓦である。

参考文献

森澤家住宅北蔵|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005044
室戸市吉良川(室戸市作成資料)
https://www.arch.kanagawa-u.ac.jp/lab/shimazaki_kazushi/shimazaki/Traditional%20buildings/093kiragawa/r1392257_093.pdf

最終更新: 2026.09.26