教王護国寺金堂とは
教王護国寺金堂は、京都市南区九条町の東寺(教王護国寺)の本堂で、慶長8年(1603年)に再建された桃山時代の仏堂であり、昭和28年(1953年)に国宝に指定された。
規模は桁行5間・梁間3間の母屋に、初重の裳階(もこし)をめぐらせた形式で、屋根は入母屋造の本瓦葺である。外から見ると二階建てのように見えるが、下の屋根は裳階の庇で、内部は天井の高い一つの空間になっている。
本尊は薬師如来で、左右に日光菩薩と月光菩薩が立つ。東寺の公式サイトは、あらゆる病から人々を守る薬師如来を本尊としたところに、新しい都の安寧を願う桓武天皇の思いを読み取っている。
最初に着工された堂と、慶長の再建
東寺が創建された延暦15年(796年)、諸堂のなかで最初に工事が始められたのが金堂である。国立の寺院にふさわしい堂として、以後600年以上にわたり伽藍の中心に建っていた。
その金堂は、文明の土一揆にともなう火災で失われた。焼失の年を、東寺と京都市観光協会は文明18年(1486年)、文化庁の国指定文化財等データベースの解説は文明17年(1485年)としており、資料によって1年の差がある。
再建は約100年後になった。京都市観光協会によると、慶長8年(1603年)に豊臣秀頼が建て直したのが現在の教王護国寺金堂で、この年代は棟札によって裏づけられ、棟札1枚も附(つけたり)として指定されている。
昭和15年(1940年)の解体修理では、基礎から創建当時の礎石や敷石、須弥壇の一部が見つかった。文化庁の解説は、これによって現在の金堂が創建時とほぼ同じ位置と規模で建っていることが確かめられたと記している。
国宝に指定された理由
教王護国寺金堂は、明治30年(1897年)12月28日に古社寺保存法のもとで指定を受け、文化庁はこの日を重要文化財の指定年月日として記録している。その後、昭和28年(1953年)3月31日に国宝となった。
文化庁の解説が評価するのは、様式の扱い方である。伝統的な和様に、禅宗様と大仏様(天竺様)の手法を交え、それを一つの建物としてみごとにまとめている。解説はこの点を挙げて、桃山時代の仏寺建築を代表する優作としている。
とくに、太い部材の寸法と、裳階に用いた大仏様の三手先の組物が、大きな仏殿にいっそうの力強さを与えている。内部の架構にも禅宗様の手法が混じり、外観と同じく複数の様式が一つの構成に収められている。
教王護国寺金堂の見どころ
正面から屋根を見ると、裳階の中央の一間だけが一段高く切り上げられている。文化庁の解説はこれを優れた意匠と評し、東寺の公式サイトは東大寺大仏殿や平等院鳳凰堂にも見られる形だと紹介している。この小屋根の下の両開きの扉は、法会のときに開けて散華したともいわれる。
堂内では、本尊の薬師三尊像に向き合いたい。慶長8年(1603年)に仏師の康正がつくった木造漆箔の像で、重要文化財に指定されている。
本尊の薬師如来は、薬壺を持たない古い形式の像で、光背に7体の化仏を配した七仏薬師である。台座のまわりには、如来を守る十二神将がぐるりと並ぶ。東寺によれば、台座に十二神将を置くこの形式は奈良時代の様式とされる。
外に出たら、少し離れて全体を見る。裳階の屋根と上の大屋根が重なる立面は、高さと横幅の両方を強く感じさせる。
教王護国寺金堂の拝観方法
教王護国寺金堂は通年で内部を拝観できる。時間は午前8時から午後5時まで(受付は午後4時30分まで)で、講堂との共通券になる。2026年の通常期の拝観料は大人800円である(東寺公式サイト、2026年9月15日確認)。金堂と講堂の扉が一般に開かれたのは、東寺によれば昭和40年(1965年)のことである。
金堂は南大門の正面、講堂のすぐ南に建ち、伽藍の南北の軸線の上にある。南大門から入ると、まず正面にこの堂が現れる。
堂内は撮影できない。写真は外観にとどめ、現地の掲示に従ってほしい。
Q&A
- 教王護国寺金堂の中は拝観できますか?
- 通年で拝観できます。午前8時から午後5時まで(受付は午後4時30分まで)で、講堂との共通券です。通常期は大人800円です(2026年9月確認)。
- 教王護国寺金堂はいつ建てられたのですか?
- 最初の金堂は延暦15年(796年)の創建時に着工されました。現在の建物は、文明の土一揆による焼失のあと、慶長8年(1603年)に豊臣秀頼が再建したものです。
- 教王護国寺金堂は二階建てですか?
- いいえ。下の屋根は裳階と呼ばれる庇で、内部は天井の高い一つの空間です。
- 教王護国寺金堂の本尊は何ですか?
- 薬師如来で、日光菩薩と月光菩薩を脇侍とする薬師三尊像です。慶長8年(1603年)に仏師の康正がつくり、台座には十二神将が並びます。
- 教王護国寺金堂が国宝に指定されたのはいつですか?
- 昭和28年(1953年)です。それ以前の明治30年(1897年)に重要文化財の指定を受けています。
基本情報
| 名称 | 教王護国寺金堂(きょうおうごこくじこんどう) |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市南区九条町 |
| 指定区分 | 国宝 |
| 指定年 | 昭和28年(1953年)国宝指定、明治30年(1897年)重要文化財指定 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 桁行5間、梁間3間(一重もこし付、入母屋造、本瓦葺) |
| 所有者 | 教王護国寺 |
| 公開状況 | 内部公開(有料・通年)、堂内撮影不可 |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「教王護国寺金堂」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1833
- 東寺公式サイト「金堂」
- https://toji.or.jp/guide/kondo/
- 東寺公式サイト「東寺の歴史」
- https://toji.or.jp/history/
- 東寺公式サイト「拝観のご案内」
- https://toji.or.jp/admission/
- 京都市「古都京都の文化財 教王護国寺」
- https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000005611.html
- 京都観光Navi(京都市観光協会)「教王護国寺(東寺)」
- https://ja.kyoto.travel/tourism/single01.php?category_id=7&tourism_id=262
最終更新日: 2026.09.15