パビリオンコート(旧山中合名会社美術館)門とは

パビリオンコート(旧山中合名会社美術館)門は、京都市東山区粟田口三条坊町にある大正元年(1912年)建築の木造の腕木門で、平成14年(2002年)に現在地へ移築され、平成15年(2003年)に国の登録有形文化財に登録された。

間口2.0メートルの小ぶりな門で、屋根は鉄板葺。神宮道に面した和館の脇に立ち、通りからパビリオンコートを訪ねる人が最初に目にする建物のひとつである。

パビリオンコート門が登録された理由

パビリオンコート門は登録番号26-0160として、平成15年(2003年)12月1日に登録有形文化財となった。登録基準は「再現することが容易でないもの」である。

文化庁の解説によると、この門は大正元年(1912年)、いまの敷地の南隣の土地に、離れなどと同時に建てられた。寺院などの古材を使って組まれており、各部材は装飾や風蝕の度合いの違いから、複数の建物から集められたものと考えられている。一部には鉄材も使われている。出どころの異なる古材をひとつの門にまとめ上げた造りは、同じものを新しくつくり直すことができない。

京都市の解説は、来歴を別の形で伝えている。大正期に建てられた茶室の中門を移したものとされ、もとの所在地や由緒は分かっていないという。文化庁と京都市とで成り立ちの説明が一致しないため、ここでは両方を記しておく。

パビリオンコート門の見どころ

古材を寄せた腕木門の構え

パビリオンコート門は、柱から前後へ突き出した腕木で軒を受ける腕木門の形式をとる。正面から見ると、2本の柱の上で腕木が前後にのび、薄い鉄板葺の屋根を支えている。

部材ごとの古び方の違いが、この門のいちばんの見どころである。文化庁が「複数の建築から集められた」と判断した根拠は、装飾の違いと風蝕の度合いだった。柱や腕木の表面の荒れ方、彫りの残り方を一本ずつ比べてみると、出自の異なる材が組み合わされているのが分かるはずだ。木部のなかに鉄材がまじっているのも、この門の成り立ちを示している。

七宝文の両折戸

扉は七宝文で飾った両折戸で、左右の扉がそれぞれ中ほどで折れて開く。七宝文は、同じ大きさの円を4分の1ずつ重ねて連ねていく文様である。古材を寄せた骨組みとは違い、扉は文様で飾られており、門の前に立つとまずこの扉に目が向く。

パビリオンコート門の見学方法

パビリオンコート(旧山中合名会社美術館)門は神宮道に面して立ち、外観は敷地の外から見ることができる。登録された3件のうち、建物の中に入らなくても姿全体を眺められるのはこの門である。

結婚式や催しのある日は人の出入りが多いので、門の前で立ち止まるときは通行の妨げにならないよう気をつけたい。撮影の可否について公式の案内は見当たらない(2026年10月2日確認)。行き方はパビリオンコートのページにまとめてある。

Q&A

Qパビリオンコート門はいつ建てられたのですか?
A文化庁のデータベースでは大正元年(1912年)の建築で、平成14年(2002年)に現在地へ移築されています。
Qパビリオンコート門はどのような形式の門ですか?
A柱から突き出した腕木で軒を受ける腕木門です。木造で屋根は鉄板葺、間口は2.0メートルです。
Qパビリオンコート門はどこから来た材料でつくられているのですか?
A文化庁は、寺院などの古材を使い、複数の建物から集めた部材で組んだものとみています。京都市は大正期の茶室の中門を移したものとしており、もとの所在地や由緒は不詳です。
Qパビリオンコート門の扉にはどんな特徴がありますか?
A七宝文で飾った両折戸で、左右の扉が中ほどで折れて開きます。木部の一部には鉄材も使われています。
Qパビリオンコート門は見学できますか?
A神宮道に面しているので、外観は敷地の外から見られます。撮影の可否について公式の案内はありません(2026年10月2日確認)。

基本情報

名称パビリオンコート(旧山中合名会社美術館)門
所在地京都府京都市東山区粟田口三条坊町14-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成15年(2003年)登録
員数1棟
寸法木造、鉄板葺、間口2.0メートル
所有者株式会社京都山中商会
公開状況外観は敷地の外から見学可

参考文献

パビリオンコート(旧山中合名会社美術館)門(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003681
パビリオンコート(旧山中合名会社美術館)門(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/140951
パビリオンコート(株式会社 京都山中商会)(京都市 京都を彩る建物や庭園)
https://kyoto-irodoru.city.kyoto.lg.jp/higashiyama/pavilion_court.html
History(パビリオンコート公式サイト)
https://www.pavilion-court.com/history/

最終更新日: 2026.10.02