櫛田川の崖に築かれた石垣

田中家住宅石垣は、三重県松阪市飯高町波瀬の田中家の屋敷で、櫛田川に面した崖地に明治後期(1898〜1912年)に築かれた石造の擁壁で、平成30年(2018年)11月2日に登録有形文化財に登録された。

高さは8.1メートル、延長は26メートル。表納屋の東端から前座敷(洗耳亭)の南端にかけて、敷地の東南部を直角に折れながら造成している。員数は1基と数えられる。

川に迫り出す屋敷構えの象徴

文化庁の解説は、田中家住宅石垣を、川に迫り出した独特な屋敷構えを象徴する構造物と位置づける。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。松阪市の資料によれば、街道の南側の敷地は櫛田川の岸まで急な斜面で、その斜面に東西に長い石垣が数段にわたって築かれている。

前座敷(洗耳亭)は一部をこの石垣の上から張り出して建ち、田中家資料館の公式サイトは、2本の支柱に支えられて石垣に建つ洗耳亭の姿を紹介している。渓流を見下ろす座敷は、この石垣の造成があって成り立っている。

城郭を思わせる河原石の谷積

田中家住宅石垣は、河原石を斜めに落とし込む谷積で積まれている。三重県の資料は、その姿を城郭を思わせる壮大なものと表現している。

屋敷の4本の土塀の基礎と同じ河原石の谷積を、8.1メートルの高さまで積み上げている。丸い石を斜めに組み合わせる技法が、ここでは建物の土台そのものを支えている。

田中家住宅石垣の見学

田中家住宅石垣は川側の崖にあるため、街道からは見えにくい。三重県の資料は石垣と洗耳亭を南から写しており、全体の姿は櫛田川の側からとらえられると考えられる。川岸は急な斜面なので、近づく際は足元に注意したい。

Q&A

Q田中家住宅石垣(松阪市)はいつ築かれましたか?
A明治後期(1898〜1912年)の築造です。
Q田中家住宅石垣の高さはどれくらいですか?
A高さ8.1メートル、延長26メートルです。
Q田中家住宅石垣はどのように積まれていますか?
A河原石を斜めに落とし込む谷積で積まれ、城郭を思わせる姿になっています。
Q田中家住宅石垣は見学できますか?
A川側の崖にあり、街道からは見えにくいです。全体の姿は櫛田川の側からとらえられると考えられます。
Q田中家住宅石垣(松阪市)はなぜ登録されたのですか?
A川に迫り出した独特な屋敷構えを象徴する構造物として、平成30年(2018年)に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。

基本情報

名称田中家住宅石垣
所在地三重県松阪市飯高町波瀬字町212
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成30年(2018年)11月2日登録
員数1基
寸法石造、延長26メートル、高さ8.1メートル
所有者個人(松阪市の資料による。文化庁データベースは空欄)
公開状況外観のみ(川側から見られるとみられる)

参考文献

国指定文化財等データベース 田中家住宅石垣(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012575
田中家住宅主屋ほか10件(松阪市 文化情報)
https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/culture-info/tanakakejyutaku01.html
三重県関係で国の登録有形文化財(建造物)の新登録の答申が行われるものの概要(三重県)
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000792558.pdf
波瀬 田中家資料館(公式サイト)
https://www.tanakahazemuseum.com/

最終更新日: 2026.09.26