南側の敷地の西を区切る土塀

田中家住宅南土塀は、三重県松阪市飯高町波瀬の田中家の屋敷のうち、旧和歌山街道の南側の敷地で西納屋の西の敷地境を区切る明治後期(1898〜1912年)の土塀で、平成30年(2018年)11月2日に登録有形文化財に登録された。

延長は27メートル、屋根は桟瓦葺。所在地は波瀬字町210-1と212の2筆にまたがる。名称の「南」は方角ではなく、街道の南側の敷地にある塀であることを指すとみられる。

裏手でも手を抜かない塀

文化庁の解説は、田中家住宅南土塀について、敷地の裏手にありながら丁寧につくられ、屋敷全体の構えを整えていると評価する。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

松阪市の資料によれば、街道の南側の敷地は西納屋と南土塀が西の端を画し、南は櫛田川の岸へ急な斜面となって落ちる。南土塀は、表の街道からは見えにくい側で屋敷の輪郭をつくる塀である。

古瓦を埋め込んだ壁と輪違

田中家住宅南土塀の基礎は、ほかの土塀と共通する河原石の谷積である。違いは上の壁にあり、古い瓦を塗り込んで仕上げた土塀とし、中ほどの高さに丸瓦を組んだ輪違や、軒先用の唐草瓦を並べて文様をつくっている。

4本の土塀のうち、壁面に瓦の文様をもつのはこの塀だけである。使い古した瓦を壁に生かしながら、それを飾りとして見せている。

田中家住宅南土塀の見学

田中家住宅南土塀は敷地の裏手にあたり、街道からの見え方は限られると考えられる。田中家資料館の公式案内には、南土塀の見学についての記載がない。

Q&A

Q田中家住宅南土塀(松阪市)はいつ築かれましたか?
A明治後期(1898〜1912年)の築造です。
Q田中家住宅南土塀はどこにありますか?
A旧和歌山街道の南側の敷地で、西納屋の西の敷地境を区切っています。
Q田中家住宅南土塀の特徴は?
A河原石の谷積の基礎の上に古瓦を埋め込んだ土塀を築き、中段に丸瓦の輪違や唐草瓦で文様をつくっています。延長は27メートルです。
Q田中家住宅南土塀は見学できますか?
A敷地の裏手にあり、街道からの見え方は限られると考えられます。見学についての公式な案内はありません。
Q田中家住宅南土塀(松阪市)はなぜ登録されたのですか?
A敷地の裏手にありながら丁寧につくられ、屋敷全体の構えを整えるものとして、平成30年(2018年)に登録されました。

基本情報

名称田中家住宅南土塀
所在地三重県松阪市飯高町波瀬字町210-1、212
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成30年(2018年)11月2日登録
員数1棟
寸法土塀、瓦葺、延長27メートル
所有者個人(松阪市の資料による。文化庁データベースは空欄)
公開状況非公開(見学の案内なし)

参考文献

国指定文化財等データベース 田中家住宅南土塀(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012574
田中家住宅主屋ほか10件(松阪市 文化情報)
https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/culture-info/tanakakejyutaku01.html
三重県関係で国の登録有形文化財(建造物)の新登録の答申が行われるものの概要(三重県)
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000792558.pdf
波瀬 田中家資料館(公式サイト)
https://www.tanakahazemuseum.com/

最終更新日: 2026.09.26