佐藤家住宅木造別棟とは

佐藤家住宅木造別棟は、長崎県長崎市西泊町にある明治初期の建築とされる離れで、1階を石造、2階を木造とした2階建の建物として、平成9年(1997年)11月5日に国の登録有形文化財に登録された。瓦葺で、建築面積は26平方メートルある。

佐藤家住宅の5件のなかで、木造別棟は主屋の南に建つ離れである。道路に面した主屋や倉庫とちがって敷地の奥にあり、母屋から少し離れた静かな位置を占めている。石造倉庫Aと並んで、5件のうちでは古い時期に属する建物である。

石の1階に木の2階を載せた佐藤家住宅木造別棟

佐藤家住宅木造別棟の組み立ては、石を積んで造った1階の上に、木造の2階を載せるというものである。名称は「木造別棟」だが、足元の階は石で、木の部分は上の階に限られる。

日本の住宅は木で建てるのが普通で、石造りの住まいは多くない。文化庁は、この別棟を石造になる数少ない住宅建築の一つとして挙げている。倉庫ならば石で囲うことは長崎でも行われたが、人が過ごす離れの下階を石にした例は珍しい。

主屋と対照的な数寄屋風の意匠

佐藤家住宅木造別棟の2階は、細い部材で組まれている。文化庁の解説は、太い柱や梁で組む主屋とは対照的に、木割りの細い材を用いた数寄屋風の意匠になると述べている。

木割りとは柱や梁などの部材の太さの釣り合いのことで、それを細くとると建物は軽く繊細に見える。重い石の1階と、細身の材で組んだ軽い2階。1つの建物の上下で、正反対の性格の構造が重ねられている。

母屋は骨太に、離れは軽やかに、と建物の役割に応じて意匠を変えるのは、数寄屋の考え方に通じる。同じ屋敷で主屋と別棟を比べると、その違いがよく分かる。

佐藤家住宅木造別棟の年代と登録の理由

佐藤家住宅木造別棟の建設時期は、記録ではなく、用いられた石材の風化の具合から明治初期と推定されている。明治32年(1899年)頃とされる主屋よりも前からここに建っていたことになる。

登録基準は「再現することが容易でないもの」で、登録番号は42-0003である。石造の下階と数寄屋風の上階を重ねた構成と、石造の住宅建築という希少さが評価された。

佐藤家住宅木造別棟の見学

佐藤家住宅木造別棟は個人の住宅の離れで、内部は公開されていない(2026年9月確認)。文化庁の解説には別棟が道路に面するという記述がなく、主屋の南、敷地の奥に建つため、外から見える範囲は限られるとみられる。敷地には立ち入れないので、無理にのぞき込むことは控えたい。屋敷への行き方は佐藤家住宅(長崎市)のページにまとめてある。

Q&A

Q佐藤家住宅木造別棟はどのような建物ですか?
A主屋の南に建つ離れで、石造の1階の上に木造の2階を載せた2階建です。瓦葺で、建築面積は26平方メートルです。
Q佐藤家住宅木造別棟はいつ建てられましたか?
A明治初期と推定されています。石材の風化の具合から判断されたもので、主屋より古い建物です。
Q佐藤家住宅木造別棟の数寄屋風の意匠とは何ですか?
A2階を細い部材で組んだ軽やかな造りのことです。太い柱や梁を使う主屋とは対照的だと文化庁は説明しています。
Q佐藤家住宅木造別棟が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成9年(1997年)11月5日です。登録番号は42-0003で、「再現することが容易でないもの」として登録されました。
Q佐藤家住宅木造別棟は外から見えますか?
A主屋の南、敷地の奥に建つため、道路から見える範囲は限られるとみられます。内部は公開されていません(2026年9月確認)。

基本情報

名称佐藤家住宅木造別棟
所在地長崎県長崎市西泊町66
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成9年(1997年)登録
員数1棟
寸法建築面積26㎡(2階建、1階石造・2階木造、瓦葺)
所有者個人
公開状況非公開(外から見える範囲は限られる)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)佐藤家住宅木造別棟
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000370
文化遺産オンライン 佐藤家住宅木造別棟
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/185100
長崎県文化財データベース 佐藤家住宅主屋・木造別棟・木造附属屋・石造倉庫A・石造倉庫B
https://www.pref.nagasaki.jp/bunkadb/index.php/view/144

最終更新日: 2026.09.30