河瀬家住宅南土塀とは

河瀬家住宅南土塀は、奈良県奈良市多門町にある昭和17年(1942年)頃の土塀で、平成18年(2006年)3月27日に国の登録有形文化財に登録された。瓦葺の土塀で、延長は25メートルある。

表門の東と西に分かれて建ち、東側は南北方向に延び、西側は枡形のように折れて囲いをつくる。表門が東大寺の薬師院から移されたのと同じ頃に築かれた、屋敷の表まわりの塀である。

三笠安山岩の基礎と、層をなす瓦

河瀬家住宅南土塀の基礎は、三笠安山岩の石で築かれている。その上に立つ壁の面には、瓦の縁が何段も層になって表れ、頂部には桟瓦の小屋根を載せる。

壁体に瓦の縁を層状に見せる仕上げで、横に走る瓦の線が塀の表情を決めている。石の基礎、瓦の層、小屋根という3段の構成が、道から一目で見て取れる。

水平線がつくる落ち着き

文化庁の解説は、河瀬家住宅南土塀の瓦の水平線が塀に安定感をもたらしていると評価する。土の壁だけでは平板になりがちな面に細い線が等間隔に重なり、塀全体が低い重心で落ち着いて見える。

江戸後期の土塀が主屋まわりを囲むのに対し、南土塀は昭和17年頃、道に面する表側のために築かれた。同じ屋敷の塀でも、道に向けて築かれたこちらは、瓦の層を見せる仕上げで表情をつけている。

河瀬家住宅南土塀が登録された理由

河瀬家住宅南土塀は、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁は、南土塀が表門とともに豊かな風情のある街路の景観を形づくっていると述べている。

門と塀が組になって多門町の通りに面し、屋敷の入口を整えている。その街並みへの寄与が、この塀の評価の中心である。

河瀬家住宅南土塀の見学

河瀬家住宅南土塀は道に面しているため、外観を道から見ることができる。敷地の中は個人の屋敷で、立ち入りはできない(2026年9月確認)。瓦の縁が層になった壁面は塀の表側に出ているので、近づきすぎずに道から確かめられる。撮影についての公式の案内はないため、塀越しの住まいを写し込まないよう配慮したい。屋敷への行き方は河瀬家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q河瀬家住宅南土塀はいつ築かれましたか?
A昭和17年(1942年)頃です。表門が移されたのと同じ頃にあたります。
Q河瀬家住宅南土塀はどこにありますか?
A表門の東と西に分かれて建ちます。東側は南北に延び、西側は枡形状に囲いをつくります。延長は25メートルです。
Q河瀬家住宅南土塀はどのようなつくりですか?
A三笠安山岩で基礎を築き、壁面に瓦の縁を層状に見せ、頂部に桟瓦の小屋根を載せています。
Q河瀬家住宅南土塀が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成18年(2006年)3月27日です。「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録されました。
Q河瀬家住宅南土塀は見学できますか?
A道に面しているので外観は見られますが、敷地の中は個人の屋敷で立ち入りはできません(2026年9月確認)。

基本情報

名称河瀬家住宅南土塀
所在地奈良県奈良市多門町28-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成18年(2006年)登録
員数1棟
寸法延長25m(土塀、瓦葺)
所有者非公表(文化庁データベースでは空欄)
公開状況非公開(道路から外観のみ)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)河瀬家住宅南土塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005489
文化遺産オンライン 河瀬家住宅南土塀
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/118567
奈良市 登録有形文化財一覧
https://www.city.nara.lg.jp/site/bunkazai/10196.html

最終更新日: 2026.09.30