長徳寺とは
長徳寺(ちょうとくじ)は、新潟県新発田市大栄町にある真宗大谷派の寺院で、天正13年(1585年)の創建と伝わり、嘉永3年(1850年)建築の本堂をはじめとする5件が平成29年(2017年)10月27日に登録有形文化財となった。山号は松霊山(しょうれいざん)という。
境内は新発田城跡の南側、旧城下の町なかにある。登録されたのは本堂・庫裏・行在所・鐘楼・山門及び塀の5件で、江戸後期の門から大正期に移された座敷棟まで、およそ80年のあいだに建てられた建物が一つの境内にそろっている。
長徳寺の由緒と堀部安兵衛
寺の説明によると、長徳寺は天正13年(1585年)に関根慶順が開いたのが始まりとされる。以来、新発田の町とともに歩んできた真宗寺院である。
長徳寺の名を広く知らせているのは、赤穂四十七士の一人、堀部安兵衛(武庸)との縁である。安兵衛は新発田藩士中山家の生まれで、長徳寺は中山家の菩提寺にあたる。寺によれば、安兵衛は14歳まで新発田の城下で暮らした。境内には、安兵衛が江戸へ旅立つときに植えたと伝わる石台松があり、初代は平成9年(1997年)に老齢のため伐られ、いまは2代目が育っている。中山家の墓所も境内に残る。
大正2年(1913年)、浪曲師の桃中軒雲右衛門が所蔵していた四十七士の木像が長徳寺に納められ、昭和4年(1929年)にはこれを安置する義士堂が完成した。義士堂の格天井や壁には、建設に賛同した政治家・軍人・文人らの書画60点が納められていると寺は伝えている。義士堂と木像は新発田市の指定文化財であり、国の登録を受けた5件とは別のものである。
吉良邸討ち入りの日にあたる毎年12月14日には、長徳寺の境内で義士祭が営まれる。
長徳寺の5件の登録と年代
長徳寺の5件は、平成29年(2017年)7月21日の文化審議会の答申を経て、同年10月27日にそろって登録有形文化財となった。登録番号は15-460から15-464までの連番である。
登録基準は2つに分かれる。本堂と行在所は「造形の規範となっているもの」、庫裏・鐘楼・山門及び塀は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁の資料は、本堂の正面の組物と彫刻、庫裏の広い柱間、行在所の瀟洒な造りを挙げたうえで、鐘楼と山門及び塀もよく残ると評している。
文化庁のデータベースが示す年代は次のとおりである。
- 山門及び塀:天保12年(1841年)
- 本堂:嘉永3年(1850年)、昭和59年(1984年)改修
- 庫裏:明治中期(1883年から1897年)
- 鐘楼:明治期(1868年から1912年)
- 行在所:大正10年(1921年)
新発田市の文化財一覧は、鐘楼を昭和前期とし、行在所の大正10年を移築の年と記している。鐘楼の年代は文化庁と市とで食い違っているため、ここでは文化庁の値を基準とし、市の記載を併記した。
長徳寺の境内の配置と歩く順序
長徳寺の表口は境内の北の辺にある。北に向かって開く山門をくぐると、参道がまっすぐ本堂へ延び、その途中の東側に鐘楼が南を向いて建つ。
本堂の西には廊下を介して庫裏がつながり、庫裏の南にさらに行在所が接続する。本堂・庫裏・行在所の3棟は、廊下と接続部でひと続きになった建物群である。
山門で門と塀の形を見てから、参道を進んで鐘楼の正面に回り、本堂の向拝を見上げたあと、本堂の西へ回って庫裏の外観を見る、という順で歩くと、5件を無理なく見渡せる。行在所は通常は非公開なので、外から見られる範囲にとどめたい。
長徳寺の見学と行き方
新発田市観光協会の案内では、長徳寺の境内は見学自由とされている。拝観料の定めは示されていない。義士堂は12月14日の義士祭の日にだけ一般に公開される。
行在所は通常は公開されていない。令和6年(2024年)6月、新発田の寺町一帯で開かれる催し「しばた寺・びらき」に合わせて初めて一般公開されたと地元紙が報じている。堂内の拝観や撮影を希望する場合は、長徳寺(電話0254-22-6226)へ事前に問い合わせたい。
長徳寺へは、JR新発田駅から歩いて約20分である。新潟県観光協会の案内によると、新発田駅から市街地循環バスの左回りに乗り、「まちの駅」で降りれば徒歩約5分で着く。バスの時刻は事前に確かめておくとよい。車の場合、寺の案内では駐車場が15台分用意されている。
参考文献
- 国指定文化財等データベース 長徳寺本堂(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011918
- 国指定文化財等データベース 長徳寺庫裏(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011919
- 国指定文化財等データベース 長徳寺行在所(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011920
- 国指定文化財等データベース 長徳寺鐘楼(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011921
- 国指定文化財等データベース 長徳寺山門及び塀(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011922
- 登録有形文化財(建造物)の登録について(文化庁、平成29年7月21日)
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/r1392281_22.pdf
- 新発田市の指定文化財一覧(新発田市)
- https://www.city.shibata.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/026/451/r6-18-25.pdf
- 真宗大谷派 松霊山 長徳寺(公式サイト)
- https://choutokuji.jp/
- 長徳寺(しばた観光ガイド/新発田市観光協会)
- https://shibata-info.jp/archives/sightseeing/%E9%95%B7%E5%BE%B3%E5%AF%BA
- 長徳寺(にいがた観光ナビ/新潟県観光協会)
- https://niigata-kankou.or.jp/spot/10172
- 明治天皇が3泊した長徳寺「行在所」初の一般公開(新潟日報、2024年6月15日)
- https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/423170
最終更新日: 2026.09.28
基本情報
| 名称 | 長徳寺 |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県新発田市大栄町二丁目甲1203 |
| 所有者 | 宗教法人長徳寺 |
| 指定 | 登録有形文化財 5件 |
| 座標 | 37.94666, 139.32226 |