唐櫃岡の清水共同用水場とは

唐櫃岡の清水共同用水場は、香川県小豆郡土庄町豊島の唐櫃岡地区、檀山の麓にある、昭和4年(1929年)に築かれた石造の生活用の水場で、平成13年(2001年)10月12日に国の登録有形文化財(建造物)となった。読みは「からとおかのしみずきょうどうようすいじょう」(文化庁)。

文化庁の記録では、石造で水槽・排水路・擁壁からなり、面積75平方メートル。登録番号は37-0057、所有者は宗教法人十輪寺である。

豊島の湧き水と暮らし

四国新聞の連載「21世紀へ残したい香川」(2001年)によれば、唐櫃岡の清水共同用水場は豊島の最高峰・檀山の東側に開けた唐櫃岡地区で、四季を通じて豊富に湧き出る清水を受ける。清水神社の社殿や清水観音堂と一体となった水場で、豊島出身で石材業で成功した中野喜三郎氏が多額の私財を寄付して完成させた。

同紙によれば、各水槽は野菜洗いや洗濯物のすすぎなどに役割が決まっており、地域の女性たちが語らう場でもあった。昭和38年(1963年)ごろに簡易水道ができると洗濯の風景は見られなくなったが、清水は今も地区の棚田のかんがいに使われ、住民が交代で水場を清掃している。

登録有形文化財としての価値

唐櫃岡の清水共同用水場は「再現することが容易でないもの」として登録された。文化庁の解説は、往時からの生活環境を物語る貴重な建造物と評価している。

唐櫃岡の清水共同用水場は日本遺産「知ってる!?悠久の時が流れる石の島~海を越え、日本の礎を築いた せとうち備讃諸島~」の構成文化財でもあり、暮らしの中で石が大きく使われていたことを示す例とされる(せとうち備讃諸島日本遺産推進協議会)。

見どころ

文化庁によれば、唐櫃岡の清水共同用水場は台形の平面で、雛壇状の花崗岩の布積で壁面をつくる。湧水を上部の貯水槽から3連の小水槽、大水槽へと流し、各水槽に異なる用途を充てる。余った水は脇の水路から町の下水路に通じる。

雛壇状に積まれた花崗岩の石壁と、段ごとに水が流れ落ちる水槽の連なりが、唐櫃岡の清水共同用水場の見どころである(文化庁、せとうち備讃諸島日本遺産推進協議会)。

見学について

唐櫃岡の清水共同用水場は今も地域の人々が使い、手入れを続けている水場である(四国新聞)。見学の際は水を汚さず、利用する住民に配慮したい。

所在地は土庄町豊島唐櫃字東伏1261-1。豊島へは船で渡る。

Q&A

Q唐櫃岡の清水共同用水場はいつ築かれましたか?
A昭和4年(1929年)です(文化庁)。
Qどんな仕組みですか?
A湧水を上部の貯水槽から3連の小水槽、大水槽に流し、水槽ごとに用途を分けています(文化庁)。
Qどのように使われてきましたか?
A野菜洗いや洗濯物のすすぎなどに使われ、今も棚田のかんがいに水が引かれています(四国新聞)。
Q誰が造りましたか?
A豊島出身で石材業で成功した中野喜三郎氏の寄付で完成しました(四国新聞)。
Q唐櫃岡の清水共同用水場が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成13年(2001年)10月12日です。

基本情報

名称唐櫃岡の清水共同用水場(からとおかのしみずきょうどうようすいじょう)
所在地香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃字東伏1261-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成13年(2001年)10月12日登録
員数1基
寸法石造、水槽・排水路・擁壁よりなる、面積75平方メートル
所有者宗教法人十輪寺
公開状況屋外で見学可(地域の生活用水場)

参考文献

唐櫃岡の清水共同用水場(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002441
唐櫃岡の清水共同用水場(せとうち石の島、せとうち備讃諸島日本遺産推進協議会)
https://stone-islands.jp/point/detail/14/
知ってる!?悠久の時が流れる石の島(日本遺産ポータルサイト)
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story080/
唐櫃の清水(土庄町豊島)(四国新聞「21世紀へ残したい香川」)
https://www.shikoku-np.co.jp/feature/nokoshitai/shizen/11/

最終更新日: 2026.10.12