ノートルダム清心女子大学ノートルダムホール本館とは

ノートルダム清心女子大学ノートルダムホール本館は、岡山県岡山市北区伊福町にある昭和4年(1929年)建築の鉄筋コンクリート造2階建の校舎で、平成19年(2007年)7月31日に国の登録有形文化財となった。

キャンパスの南側に建ち、正面を南に向ける。平面は中庭をぐるりと囲むロの字形で、建築面積は3,250平方メートルある。南東の角に大学の正面玄関が開き、訪れる人はまずこの角から建物に迎えられる。設計はアントニン・レーモンド、施工は大林組で、大学の資料によれば東棟とともに1929年12月に竣工した。

大学はノートルダムホール本館を「本学の最初の建物」と紹介している。竣工から90年以上が過ぎたいまも、大学の管理部門と一般教室、一部の研究室が入る、キャンパスの中心の建物である。

ノートルダムホール本館が登録有形文化財になった理由

ノートルダムホール本館の登録番号は33-0154、登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁の解説は、連続する庇で水平の線を強調した外観と、柱から続く窓枠の規則正しい意匠を挙げ、昭和初期のモダニズム建築の好例と評価している。

壁から少し張り出した庇が、途切れずに建物の端から端まで走る。そこへ柱と縦長の窓枠が一定の間隔で縦の線を刻むので、横に長い2階建の箱が単調にならない。歴史的な様式の装飾に頼らず、鉄筋コンクリートの骨組みそのものを外観の秩序に変えているところに、モダニズムの考え方がよく表れている。

建築学が専門の上田恭嗣名誉教授は、登録の答申を受けた平成19年(2007年)の学報で、この切れ目のない庇と縦方向の窓枠をノートルダムホール本館の外観の特徴に挙げている。大学もまた、ノートルダムホール本館が建築当時のまま使われ続けていることを、登録に至った理由として挙げている。

ノートルダムホール本館の見どころ

当初のままの回転窓

窓は竣工時のものが今も使われており、上の軸で吊って回す上吊り回転窓の形式をとる。開け放たれた窓が同じ角度でそろうと、壁面の縦のリズムがいっそう際立つ。

丸窓と木製の引き戸

内部では、教室の廊下側に丸窓が設けられ、教室の入口には木製の片引き戸が付く。上田名誉教授はこの引き戸を、日本の襖を意識したような意匠と評している。チェコ生まれでアメリカを経て来日した建築家が、日本の建具の感覚をモダニズムの校舎に取り込んだ例として見ると面白い。

人造石研ぎ出しの廊下と階段

廊下の床、幅木、階段は人造石の研ぎ出しで仕上げられ、階段の踏面の先端にはタイルが打ち込まれている。滑り止めを兼ねた細部とみられ、90年以上にわたって学生の足に踏まれてきた。

黒い塗料の痕跡

戦時中、ノートルダムホール本館は空襲を避けるため外壁を黒く塗られた。戦後に白く塗り直されたが、大学のアーカイブによれば、学生玄関の柱の足元、土台の万成石には当時垂れた黒い塗料がいまも残る。アスファルトに近い材質のため、完全には落とせないという。白い外壁の足元に目を向けると、昭和20年(1945年)の記憶が小さく刻まれているのが分かる。

ノートルダムホール本館の見学方法

ノートルダムホール本館は授業と事務に使われている現役の校舎で、内部の一般公開はしていない。見学は大学への事前申し込みが前提で、見ることができるのは主に外観である。撮影も外観に限られ、館内と学生の撮影は禁止されている。教室・研究室への立ち入りや授業の見学もできない。

外観は、正面玄関のある南東の角から見るのがよい。南面と東面の2方向に延びる庇の線と、角で折れ曲がる窓の列を一度に視野に収められる。南を向く正面は日中を通して日が当たり、白い壁面に庇の影がくっきり落ちる。

回転窓や丸窓、研ぎ出しの階段など内部の意匠を間近に見たいときは、大学が開く見学会に申し込むのが確実である。キャンパスへの行き方と申し込みの方法は、ノートルダム清心女子大学ノートルダムホールのページにまとめてある。

Q&A

Qノートルダム清心女子大学ノートルダムホール本館はいつ、誰が設計した建物ですか?
A昭和4年(1929年)の建築で、設計はアントニン・レーモンド、施工は大林組です。大学の資料では1929年12月に東棟とともに竣工したとされています。
Qノートルダムホール本館が登録有形文化財に登録されたのはいつですか?
A平成19年(2007年)7月31日に登録されました。登録番号は33-0154、登録基準は「造形の規範となっているもの」です。
Qノートルダムホール本館の内部は見学できますか?
A内部の一般公開はしていません。大学への事前申し込みで外観を見学でき、内部の意匠を間近に見たい場合は大学が開く見学会に参加するのが確実です。
Qノートルダムホール本館で写真を撮ってもよいですか?
A構内での撮影は外観のみ認められています。館内と学生の撮影は禁止されています。
Qノートルダムホール本館が戦時中に黒く塗られたのは本当ですか?
A本当です。白い外壁が空襲の目標にならないよう黒く塗られ、戦後に白へ戻されました。学生玄関の柱の足元の万成石には、当時の黒い塗料がいまも残っています。

基本情報

名称ノートルダム清心女子大学ノートルダムホール本館
所在地岡山県岡山市北区伊福町2-16-9
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成19年(2007年)7月31日登録
員数1棟
寸法鉄筋コンクリート造2階建、建築面積3,250平方メートル
所有者学校法人ノートルダム清心学園
公開状況大学への事前申し込みで外観を見学可(撮影は外観のみ)。内部は一般非公開、見学会あり

参考文献

国指定文化財等データベース「ノートルダム清心女子大学ノートルダムホール本館」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006129
文化遺産オンライン「ノートルダム清心女子大学ノートルダムホール本館」(文化庁)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/186033
NDSUコレクション 登録有形文化財(ノートルダム清心女子大学 清心アーカイブズ)
https://www.ndsu.ac.jp/archives/collection/bunkazai.php
清心の風景(ノートルダム清心女子大学 清心アーカイブズ)
https://www.ndsu.ac.jp/archives/history/campus.php
キャンパスマップ・施設・設備(ノートルダム清心女子大学)
https://www.ndsu.ac.jp/life/campus_map.html
校舎(登録有形文化財)の見学をご希望の皆様へ(ノートルダム清心女子大学)
https://www.ndsu.ac.jp/about/campus_tour.html

最終更新日: 2026.10.02