石川家住宅南西塀とは

石川家住宅南西塀は、大阪市東成区深江南3丁目にある明治22年(1889年)頃の土塀で、令和5年(2023年)2月27日に登録有形文化財となった。

石川家の敷地の南辺と西辺をめぐる塀で、延長は41メートルある。屋根は瓦葺、壁は蛇腹を付けた漆喰仕上げで、足元の腰の部分を洗い出し仕上げとしている。

塀の東端は長屋門の西にあった土蔵の跡から始まり、南西の角を隅切りにして北へ折れ、主屋の西にあった別棟座敷の跡まで続く。両端とも、今は失われた建物の跡に接している。石川家住宅南西塀の線は、かつての屋敷の建物配置の手がかりにもなっている。

登録の理由

石川家住宅南西塀は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録された。登録番号は27-0868である。

41メートルにわたる白い漆喰の壁面が、敷地の2辺を通りに対して閉じている。長屋門の解説が「西側漆喰仕上土塀」と呼んでいるのもこの塀で、門とともに屋敷の表構えをつくる。文化庁の解説は、塀そのものが歴史的な景観を構成している点を登録の理由に挙げている。

見どころ

蛇腹と洗い出しの仕上げ

塀の上部には蛇腹が付く。漆喰を段状に塗り重ねて帯をつくる仕上げで、瓦屋根の下に水平の陰影を落とし、長い壁面を引き締める。

腰の部分は洗い出し仕上げである。モルタルなどを塗って固まりきる前に表面を洗い、中の小石を浮き出させる技法で、泥はねの当たる足元を硬く仕上げる。上の白い漆喰と下の粒立った腰という2段の構成に注目したい。

隅切りの角

南西の角は直角に曲がらず、角を斜めに切り落とした隅切りとしている。通りの角で塀が一歩引いた形になり、角を回る道からの見通しがよくなる。

石で組んだ勝手口

西辺には勝手口が開く。戸口の両脇に立てる方立と、上に渡す楣を切石でつくり、両開きの板戸を建てている。漆喰の壁に石の枠が嵌め込まれた、塀のなかで最も手の込んだ部分である。

見学方法

石川家住宅南西塀は株式会社イシカワが所有する屋敷の外周の塀で、道路から外観を見ることができる。塀の内側は公開されていない。

長屋門の西から歩き始め、南西の隅切りを回って西辺の勝手口まで、塀に沿って外周をたどると全体の構成がつかみやすい。撮影は公道からにとどめ、塀に寄りかかったり勝手口に触れたりしないこと。屋敷への行き方は石川家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q石川家住宅南西塀はどのような塀ですか?
A明治22年(1889年)頃の土塀で、屋敷の南辺と西辺を延長41メートルにわたってめぐります。瓦葺で、蛇腹付きの漆喰仕上げ、腰は洗い出し仕上げです。
Q石川家住宅南西塀は外から見られますか?
A屋敷の外周に面しているため、道路から見ることができます。塀の内側は公開されていません。撮影は公道からにとどめてください。
Q石川家住宅南西塀の勝手口の特徴は?
A西辺にある勝手口で、両脇の方立と上部の楣を切石でつくり、両開きの板戸を建てています。
Q石川家住宅南西塀の両端はどこにつながっていますか?
A東端は長屋門の西にあった土蔵の跡、北端は主屋の西にあった別棟座敷の跡です。どちらの建物も現存していません。
Q石川家住宅南西塀はいつ登録有形文化財になったのですか?
A令和5年(2023年)2月27日に登録されました。登録番号は27-0868、基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」です。

基本情報

名称石川家住宅南西塀(いしかわけじゅうたくなんせいべい)
所在地大阪府大阪市東成区深江南3丁目120-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和5年(2023年)2月27日登録
員数1棟
寸法土塀、瓦葺、延長41メートル
所有者株式会社イシカワ
公開状況非公開(外観は道路から見学可)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)石川家住宅南西塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014497
国指定文化財等データベース(文化庁)石川家住宅長屋門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014496

最終更新日: 2026.09.25