石川家住宅主屋とは

石川家住宅主屋は、大阪市東成区深江南3丁目にある江戸時代末期の農家型の主屋で、令和5年(2023年)2月27日に登録有形文化財となった。

文化庁のデータベースは建築年代を江戸末期とし、西暦では1830年から1868年の幅で示している。その後、昭和前期、昭和50年代(1975年から1984年)、平成27年(2015年)に改修の手が入った。構造は木造2階建ての瓦葺で、建築面積は178平方メートルある。

石川家の屋敷には段蔵・道具蔵・長屋門・南西塀・北東塀も残り、6件が同じ日に登録された。そのなかで石川家住宅主屋は最も古く、屋敷の東寄りに建って生活の中心を担ってきた建物である。

登録の理由

石川家住宅主屋は「造形の規範となっているもの」という基準で登録された。登録番号は27-0864である。文化庁の解説が挙げる特徴は、屋根の組み方、床上の間取り、土間の骨組み、仏間の設えの4点に整理できる。

2つの高さをもつ屋根

屋根は座敷の側を入母屋造とし、土間の側を一段低い落棟にしている。落棟とは、棟を下げて主屋根から一段落とした屋根のことで、座敷と土間という内部の使い分けがそのまま外形の段差になって表れる。葺き材は桟瓦葺、入口は棟と平行な面に開く平入である。

2階はつし二階と呼ばれる天井の低い階で、軒を低く抑えた構えになる。

田の字の間取りと広い土間

床上は4室を田の字に並べた農家型の平面で、土間の側には板敷が張り出している。解説によれば当初の土間はさらに広大で、そこに架かる梁は木柄が太く、豪壮な造りだという。

見どころ:吊り仏壇

石川家住宅主屋でもう一つ注目したいのが、仏間の座敷に備えられた吊り仏壇である。

仏壇を床に据えるのではなく吊って設ける形で、文化庁の解説はこれを洪水に備える地域色として取り上げている。令和4年(2022年)11月の文化審議会答申の資料も、主屋の吊り仏壇を、洪水に備えた知恵を伝えるものとして紹介した。

同じ屋敷の段蔵は、明治18年(1885年)の洪水被害のあとに高い石垣の上に建てられたとされる。主屋の仏壇の設えと段蔵の石垣は、同じ課題に対する屋内と屋外の答えとして並べて見ることができる。

内部は公開されていないため、吊り仏壇や土間の梁を実際に目にする機会はない。文化庁のデータベースには南面の外観と西面の写真が掲載されており、外観の様子はそこで確かめられる。

見学方法

石川家住宅主屋は株式会社イシカワが所有する建物で、内部は公開されていない。主屋は長屋門と塀に囲まれた敷地の内側に建つため、敷地の外から見える部分は限られる。

門の内側には入れないので、見学と撮影は道路からにとどめたい。屋敷への行き方と、門・塀などほかの登録建物の見え方は、石川家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q石川家住宅主屋はいつ建てられたのですか?
A江戸時代末期の建築で、文化庁のデータベースは1830年から1868年の幅で示しています。昭和前期、昭和50年代(1975年から1984年)、平成27年(2015年)に改修されています。
Q石川家住宅主屋の内部は見学できますか?
A株式会社イシカワが所有する建物で、内部は公開されていません。定期的な一般公開の案内も確認できませんでした。見学は敷地の外、道路から見える範囲に限られます。
Q石川家住宅主屋の吊り仏壇とは何ですか?
A仏間の座敷に、床に据えずに吊って設けた仏壇です。文化庁は、洪水に備える深江の地域色を示すものとしてこの仏壇を挙げています。
Q石川家住宅主屋はどのような建物ですか?規模は?
A木造2階建て、瓦葺の農家型の主屋で、建築面積は178平方メートルです。座敷側を入母屋造、土間側を落棟とし、床上は田の字の4室で構成されます。
Q石川家住宅主屋はいつ登録有形文化財になったのですか?
A令和5年(2023年)2月27日に登録されました。登録番号は27-0864、基準は「造形の規範となっているもの」です。同じ日に屋敷の段蔵・道具蔵・長屋門・南西塀・北東塀も登録されています。

基本情報

名称石川家住宅主屋(いしかわけじゅうたくおもや)
所在地大阪府大阪市東成区深江南3丁目120-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和5年(2023年)2月27日登録
員数1棟
寸法木造2階建、建築面積178平方メートル
所有者株式会社イシカワ
公開状況非公開(敷地外から見える範囲のみ)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)石川家住宅主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014493
文化遺産オンライン 石川家住宅主屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/525997
文化庁 文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)令和4年11月18日 別紙資料
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/93791601_02.pdf

最終更新日: 2026.09.25