木村家住宅主屋(大阪市西区江之子島)とは

木村家住宅主屋(きむらけじゅうたくしゅおく)は、大阪府大阪市西区江之子島二丁目にある大正初期(1912〜1925年)の木造2階建の洋館で、平成18年(2006年)8月3日に登録有形文化財に登録された。木津川の左岸に位置し、大阪府の官舎として建てられたと伝えられている。

外壁は下見板張、屋根は瓦葺で、建築面積は81平方メートル。登録番号は27-0368、登録の基準は「造形の規範となっているもの」である。同じ名称の登録文化財が八尾市東本町にもあるが(河内木綿商の屋敷の主屋)、こちらは所在地も年代も異なる別の物件である。

大正期の洋風官舎として

文化庁は木村家住宅主屋を、大正期の洋風官舎として貴重だと評価している。官舎とは、役所が職員のために用意した住宅のことである。この建物が官舎であったことは伝承として記されており、建てた経緯や住んだ人を示す記録は、文化庁の解説には挙げられていない。

江之子島には、明治7年(1874年)7月から大正15年(1926年)10月まで、2代目の大阪府庁舎が置かれていた。木村家住宅主屋が建てられた大正初期は、府庁がまだこの島にあった時期にあたる。府庁に近い場所に府の官舎があったという伝えは、この土地の歩みと時期の上では食い違わない。ただし、建物と府庁との具体的な結びつきは確かめられていない。

府庁が大手前へ移って100年が過ぎ、官庁街だった江之子島の面影はほとんど残っていない。木造の洋風住宅がこの地に残っていること自体が、近代の大阪の行政の中心を思い起こさせる手がかりになっている。

木村家住宅主屋の外観と間取り

木村家住宅主屋は、横板を少しずつ重ねて張った下見板張の外壁をもつ、木造2階建の洋館である。玄関は東面の1階中央にあり、その上に切妻の破風を付ける。破風には瓔珞(ようらく)飾りが付く。瓔珞はもとは仏像や天蓋を飾る垂れ飾りのことで、ここでは破風の縁から下がる装飾を指すとみられる。

内部は、玄関の北側を洋室とするほかは和室でまとめる。1階と2階の西南にはそれぞれ座敷を置く。外は洋館、中は和室中心という和洋の組み合わせは、大正期の住宅によく見られるもので、文化庁が「造形の規範」の基準で登録した理由もここにある。

木村家住宅主屋の見学と行き方

木村家住宅主屋は一般公開されておらず、見学についての案内も出ていない。所有者は文化庁データベースに記載がなく、住まいとして使われている可能性が高い。敷地には立ち入らず、写真を撮る場合も公道からの外観にとどめ、住む人のプライバシーに配慮してほしい。玄関のある東面が道からどこまで見えるかは確かめられていない。

最寄り駅は大阪メトロ中央線・千日前線の阿波座駅で、木村家住宅主屋は駅の西、直線でおよそ700メートルの位置にある。歩いて10分前後の距離である。見学者向けの駐車場はない。

Q&A

Q大阪市西区の木村家住宅主屋はどんな建物ですか?
A江之子島二丁目にある大正初期の木造2階建の洋館で、外壁は下見板張です。大阪府の官舎として建てられたと伝えられています。
Q木村家住宅主屋(江之子島)はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成18年(2006年)8月3日に、「造形の規範となっているもの」として登録されました。
Q木村家住宅主屋(江之子島)の見どころはどこですか?
A東面1階の中央にある玄関と、その上の瓔珞飾りが付いた切妻の破風です。外観は洋館、内部は洋室1室のほかを和室とする和洋の構成です。
Q木村家住宅主屋(江之子島)は見学できますか?
A一般公開はされていません。所有者が公表されておらず住まいとみられるため、敷地に入らず、公道から外観を眺めるだけにしてください。
Q木村家住宅主屋(江之子島)への行き方は?
A大阪メトロ中央線・千日前線の阿波座駅から西へ、直線でおよそ700メートル、歩いて10分前後です。

基本情報

名称木村家住宅主屋
所在地大阪府大阪市西区江之子島二丁目2-19
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成18年(2006年)8月3日登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺、建築面積81平方メートル
所有者非公表(文化庁データベースに記載なし)
公開状況非公開

参考文献

国指定文化財等データベース 木村家住宅主屋(大阪市西区)(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00005637
府議会のあゆみ(大阪府議会)
https://www.pref.osaka.lg.jp/o170010/gikai_giji/aramashi/ayumi.html
登録有形文化財(建造物)(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/toroku_yukei.html

最終更新日: 2026.10.02