山野家住宅酒蔵一とは

山野家住宅酒蔵一は、大阪府交野市私部にある造り酒屋・山野家の屋敷の北西隅に建つ明治期の酒蔵で、平成15年(2003年)に登録有形文化財となった。読みは「やまのけじゅうたくさかぐらいち」。

主屋の背後に並ぶ酒造用の蔵の一つで、土蔵造の2階建。屋根は切妻造の桟瓦葺、建築面積は194平方メートルある。屋敷に残る蔵のなかで建築年代が最もさかのぼるのが、この山野家住宅酒蔵一である。

「一」「四」という番号からは、かつて複数の酒蔵が番号で呼び分けられていたことがうかがえる。そのうち登録されたのは、この酒蔵一と、南に接して建つ酒蔵四の2棟である。

登録の理由と価値

登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁の解説は、外部を漆喰塗とし、腰板を高く張った外観と、和小屋を組む小屋組を記したうえで、すぐ南の酒蔵、主屋北の住宅蔵とともに大小の妻面を通りに見せ、独特の景観をつくっていると評価している。

土蔵造は、木の骨組みを厚い土壁で包む構法である。火に強いうえ、壁の厚みが外の暑さ寒さを和らげるため、温度の変化を嫌う酒造りの建物に一般に用いられてきた。山野家住宅酒蔵一は、明治期からこの屋敷で酒を仕込んできた場の一つであり、いまも酒造りが続く蔵元の最も古い蔵として、家業の歩みを建物で示している。

小屋組の和小屋は、梁の上に束を立てて屋根を支える日本の伝統的な組み方である。194平方メートルの平面に架かる屋根を、この組み方で受けている。

見どころ

外から見るべきは妻面である。山野家住宅酒蔵一は屋敷の北西隅にあり、切妻屋根の三角形の妻を通りへ向ける。その南には酒蔵四、さらに南には住宅蔵が続き、それぞれ大きさの違う妻が土塀の上に並ぶ。三つのうち最も北にあるのがこの酒蔵である。

壁の仕上げにも目を向けたい。上部は漆喰で白く塗られ、下部には腰板が高い位置まで張られている。土壁を雨や跳ね返りから守るための板で、土蔵造の酒蔵によく見られる仕上げである。

内部の和小屋や仕込みの空間は、外から見ることはできない。通りから確かめられるのは、壁と屋根、そして隣の蔵と並んだときの妻の連なりである。

見学方法

山野家住宅酒蔵一は現役の蔵元の建物で、内部は公開されていない。見られるのは、屋敷の北西側の通りから見える妻と外壁に限られる。

撮影は公道から行い、敷地には立ち入らないこと。酒造りの作業中は、周囲の通行にも配慮したい。

Q&A

Q山野家住宅酒蔵一の内部は見学できますか?
A見学できません。現役の蔵元の建物で、内部は公開されていません。通りから妻面と外壁を見ることはできます。
Q山野家住宅酒蔵一はいつ建てられましたか?
A明治期の建築です。山野家住宅に残る蔵のなかで、建築年代が最も古い蔵とされています。
Q山野家住宅酒蔵一はどんな構造の建物ですか?
A土蔵造の2階建で、切妻造の桟瓦葺です。外部は漆喰塗で腰板を高く張り、小屋組は和小屋です。建築面積は194平方メートルです。
Q山野家住宅には酒蔵が何棟登録されていますか?
A酒蔵一と酒蔵四の2棟です。このほか主屋・長屋門・蔵・土塀が登録されており、屋敷全体で6件になります。
Q山野家住宅酒蔵一はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成15年(2003年)1月31日に登録されました。登録番号は27-0208です。

基本情報

名称山野家住宅酒蔵一(やまのけじゅうたくさかぐらいち)
所在地大阪府交野市私部7-11-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成15年(2003年)1月31日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積194平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(外観は公道から見学可)

参考文献

国指定文化財等データベース「山野家住宅酒蔵一」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003119
大阪文化財ナビ「山野家住宅」
https://osaka-bunkazainavi.org/bunkazai/%E5%B1%B1%E9%87%8E%E5%AE%B6%E4%BD%8F%E5%AE%85

最終更新日: 2026.09.26