横山家住宅隠居棟とは

横山家住宅隠居棟は、大阪府高槻市城北町の旧高槻城下町にある横山家住宅の主屋東側に建つ明治前期(1868〜1882年)の木造2階建の隠居所で、平成25年(2013年)に登録有形文化財に登録された。読みは「よこやまけじゅうたくいんきょとう」。

隠居棟は、家督を譲った当主などが母屋から離れて暮らすための建物である。横山家住宅隠居棟は通りから後退して建ち、屋根は切妻造・桟瓦葺、建築面積は85㎡。正面には同じ明治前期の門と塀が立ち、建物との間に小さな前庭をつくっている。

横山家住宅隠居棟が登録された理由

横山家住宅隠居棟の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、意匠の細やかな隠居所として横山家住宅隠居棟を評価している。

江戸時代の郷宿である主屋の隣に、明治に入って住まいのための別棟が加わった。主屋が通りに面して構えるのに対し、横山家住宅隠居棟は門と塀の奥に一歩下がり、通りとのあいだに距離をとる。高槻市の景観賞の講評も、主屋の東に続く隠居棟と中央の門、塀が、通りの景観に変化を与えながら調和していると述べている。

横山家住宅隠居棟の見どころ

注目したいのは2階の縁まわりである。縁の手摺には、菱形の格子を細かい間隔で寄せて組む吹寄菱格子をあしらい、縁の下の垂壁には緩やかなアーチ状の枠を入れている。直線を基本とする町家の表構えのなかで、この曲線の枠は目を引く。

正面の出入口には、細い桟を横に密に打った舞良戸を立てる。内部は座敷や茶室を田の字形に配し、造作には数寄屋造の趣を加えている。郷宿として人を泊めた主屋とは違い、横山家住宅隠居棟は家族がくつろぐための建物として、軽やかな意匠でまとめられている。

横山家住宅隠居棟の見学

横山家住宅隠居棟は個人の住まいの一部で、内部は公開されていない。不定期に屋敷の一部が公開されることがあるとされるが、隠居棟の内部が含まれるかは確認できなかった(2026年10月時点)。

外観は南の通りから、門と塀越しに見ることができる。吹寄菱格子の手摺とアーチ状の枠は2階の縁にあるので、通りから見上げると分かりやすい。門の内へは入らず、撮影も通りからにとどめてほしい。屋敷全体の配置と行き方は、横山家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q横山家住宅隠居棟はいつ建てられましたか?
A明治前期(1868〜1882年)の建築です。平成25年(2013年)12月24日に登録有形文化財に登録されました。
Q横山家住宅隠居棟はどこに建っていますか?
A横山家住宅の主屋の東側に、通りから後退して建っています。正面中央に門が開き、左右の塀とともに前庭を囲っています。
Q横山家住宅隠居棟の意匠の特徴は?
A2階の縁の手摺に吹寄菱格子をあしらい、縁下の垂壁に緩いアーチ状の枠を入れています。正面の出入口には舞良戸を立てています。
Q横山家住宅隠居棟の内部はどうなっていますか?
A座敷や茶室を田の字形に配し、造作に数寄屋風の趣を加えています。
Q横山家住宅隠居棟は見学できますか?
A個人の住まいの一部のため内部は非公開です。外観は南の通りから門と塀越しに見られます。

基本情報

名称横山家住宅隠居棟
所在地大阪府高槻市城北町1-88他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年2013年12月24日(平成25年)登録
員数1棟
寸法建築面積85㎡
所有者個人
公開状況非公開(外観は通りから見学可)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)横山家住宅隠居棟
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009800
文化遺産オンライン 横山家住宅隠居棟
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/285639
高槻市 指定登録文化財一覧表
https://www.city.takatsuki.osaka.jp/site/history/4535.html
高槻市 第1回高槻市景観賞 受賞作品 横山家住宅(横山医院)(PDF)
https://www.city.takatsuki.osaka.jp/uploaded/attachment/10117.pdf

最終更新日: 2026.10.14