旧新井家住宅主屋とは
旧新井家住宅主屋(きゅうあらいけじゅうたくしゅおく)は、埼玉県日高市高麗本郷にある高麗本郷村の名主、新井家の住まいの中心となる建物で、明治中期(1883年から1897年)に建てられた木造2階建の住宅であり、平成26年(2014年)4月25日に登録有形文化財となった。建築面積は318平方メートルで、屋敷の6件のなかでとびぬけて大きい。
巾着田を見下ろす高台の上に、南を向いて建つ。文化庁の解説によれば、主体部の桁行は23メートルに及ぶ。日高市の調査では桁行23.2メートル、梁間8.2メートルと測られている。屋根は入母屋造で、平成5年(1993年)に茅葺から瓦葺に改められた。平成24年(2012年)にも改修を受けている。
建てられた時期については見方が分かれる。文化庁のデータベースは明治中期とするが、日高市は江戸時代末から明治時代前半と考えられると説明している。市はあわせて、旧新井家住宅主屋が数度の改修を経て当初の形式を大きく変えていることも記している。
登録の理由
旧新井家住宅主屋の登録番号は11-0135、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、整った6間取りに広い土間を備えた大規模な2階建住宅であること、そして座敷の2室に床・違棚・付書院をそろえて格式を示していることを挙げている。
日高市も、各部屋の規模が大きいことを旧新井家住宅主屋の第一の特徴とする。桁行23メートルの2階建という規模と、座敷に集めた格式の表現は、名主を務めた家の住まいであったことを外観と間取りの両方に残している。
6間取りと西側の座敷
旧新井家住宅主屋の平面は、部屋を2列3室に並べた六間取である。広い土間をとり、床上の6室がこれに続く。背面には書斎や物置などが張り出していて、主体部の四角い輪郭の後ろ側に小さな出っ張りがいくつも付く。
格式がもっとも高いのは西側の2室で、屋敷ではデイ、オクと呼ばれてきた。どちらも天井をほかの部屋より一段高く上げている。日高市の調査によれば、両室とも床(とこ)を設け、奥のオクは床の左右に付書院と違棚を配した、最も格式の高い座敷飾りを備える。客を通す部屋を家の上手にまとめ、天井の高さと座敷飾りで家族の居室と区別する、名主の家らしい構成である。
日高市は調査で、建物の中央部に式台が設けられていた痕跡を見つけた。式台は身分の高い客を迎えるための玄関で、いまの旧新井家住宅主屋の正面には残っていない。明治39年(1906年)に建てられた客殿も1階中央に式台を構えており、両者を見比べると、この屋敷で客を迎える玄関がどこに置かれてきたかを考える手がかりになる。
外から眺めると、瓦葺の大屋根が目を引く。平成5年(1993年)まで、この屋根は茅葺だった。葺き材が替わっても桁行23メートルの長さは変わらず、巾着田の側から見上げたときに屋敷のなかで最も大きく見えるのが旧新井家住宅主屋である。
見学方法
旧新井家住宅主屋は、高麗郷古民家の開館日に見学できる。南の前庭に立つと、土間口から座敷側まで、正面の長さを一度に見渡せる。
主屋の中では、ひなまつりや七夕など季節の飾りが展示されることがあり、市は母屋内部の土間、いろりばた、茶の間、ざしき、でい、おくの写真を公開している。ただし一般見学で屋内のどこまで上がれるかは、市の案内に明記されていない。座敷飾りを近くで見たい場合は、事前に日高市産業振興課(042-989-2111)へ問い合わせるとよい。
旧新井家住宅主屋の1階は、催しや展示のための専用利用の対象にもなっている。貸切の日には見学の範囲が限られる場合がある。
Q&A
- 旧新井家住宅主屋はいつ建てられましたか。
- 文化庁のデータベースは明治中期(1883年から1897年)としています。日高市は江戸時代末から明治時代前半と考えられると説明しており、資料によって見方が分かれます。
- 旧新井家住宅主屋はどのくらいの大きさですか。
- 木造2階建で、建築面積は318平方メートルです。主体部の桁行は約23メートルあり、日高市の調査では桁行23.2メートル、梁間8.2メートルと測られています。
- 旧新井家住宅主屋の見どころはどこですか。
- 6間取りの西側にあるデイとオクの2室です。天井を一段高く上げ、床・違棚・付書院をそろえた座敷飾りで格式を示しています。
- 旧新井家住宅主屋の屋根はもとは茅葺だったのですか。
- はい。入母屋造の屋根は平成5年(1993年)に茅葺から瓦葺へ改められました。平成24年(2012年)にも改修が行われています。
- 旧新井家住宅主屋の中に入れますか。
- 高麗郷古民家の開館日に見学でき、屋内では季節の飾りが展示されることもあります。一般見学で上がれる範囲は市の案内に明記がないため、座敷を見たい場合は日高市産業振興課への事前の確認をおすすめします。
基本データ
| 名称 | 旧新井家住宅主屋(きゅうあらいけじゅうたくしゅおく) |
|---|---|
| 所在地 | 埼玉県日高市大字高麗本郷字上ノ原245 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) 登録番号 11-0135 |
| 指定年 | 平成26年(2014年)4月25日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、瓦葺、建築面積318平方メートル |
| 所有者 | 日高市 |
| 公開状況 | 公開(高麗郷古民家として一般見学可) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 旧新井家住宅主屋(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009899
- 文化遺産オンライン 旧新井家住宅主屋(文化庁)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/271276
- 旧新井家住宅(日高市 生涯学習課文化財担当)
- https://www.city.hidaka.lg.jp/soshiki/kyoiku/shogaigakushu/bunkazai/rekishibunkazai/1083.html
- 「高麗郷古民家」を紹介します(日高市 産業振興課)
- https://www.city.hidaka.lg.jp/soshiki/shiminseikatsu/sangyoshinko/shokokanko/kanko/sisetu/5836.html
最終更新日: 2026.09.28