六間取とは

六間取は、建物の床上部を六つの部屋に分け、前後二列に三室ずつ並べた間取りである。部屋を前後二列・左右二列に並べる四間取に対し、左右方向に一列多い三列となる。

寺院では、禅宗寺院の方丈の基本形として知られる。前列中央の室中を仏事や儀式の場とし、その左右や後列に礼の間、檀那の間、書院、仏間などを配する。禅宗の塔頭や、方丈の形式を受け継いだ曹洞宗などの本堂にも多い。

住宅では、大型の農家や旧家の主屋に見られる。片側に土間を取り、床上部を六間取として、表側の上手に床などを備えた座敷を置き、中央に式台を構えるなど、接客の構えを整えた例が多い。四間取より規模の大きな家に用いられる間取りといえる。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では「六間取」「六間取の方丈形式」「六間取系」のように書かれる。京都市の慈済院本堂は、天龍寺の塔頭の本堂で、南面する六間取の方丈形式とし、室中を含む前三室に三室通しの棹縁天井を張ると記録される。京都市の大徳寺塔頭玉林院の本堂は、方丈型本堂で、通常の六間取り平面の上手に二室を加えて八間取りとした規模の大きな建物とされる。

住宅の例では、埼玉県伊奈町の齋藤家住宅主屋が、南側を土間として床上部を六間取とし、表列上手のオクノマを主座敷とする。鳥取県倉吉市の矢城家住宅主屋は、一階を庭園に面して座敷を配した六間取とし、中央に式台を構える。滋賀県多賀町の旧一圓家住宅主屋は、平面を六間取系として鍵の手に座敷を並べると記される。「系」の字は、六間取を基本としながら変化を加えた間取りであることを示している。

現地では、床上部の部屋が前後二列・左右三列に並んでいるかを確かめる。改修で間仕切りが変わっている場合もあるので、記録の記述とあわせて当初の間取りを考えたい。

参考文献

慈済院本堂|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011151
玉林院本堂|文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/db/heritages/detail/174842
齋藤家住宅主屋|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00013045
矢城家住宅主屋|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010881
旧一圓家住宅主屋|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010180

最終更新: 2026.09.26