旧北村医院(李軒邸)西病棟とは

旧北村医院(李軒邸)西病棟は、滋賀県長浜市鳥羽上町にある明治前期(1868年から1882年)建築の入院患者のための病棟で、令和3年(2021年)10月14日に登録有形文化財となった。木造2階建、切妻造の桟瓦葺で、建築面積は29平方メートル。主屋の北側、裏門の西に接続して建つ。

旧北村医院に残る2棟の病棟のうち、古いほうにあたる。

登録の理由と価値

旧北村医院(李軒邸)西病棟の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、明治の医家の様子を伝える希少な建築と評価し、令和3年(2021年)7月16日の文化審議会の答申も、近代以前の様相を伝える希少な医院建築と記している。

明治前期は、西洋医学の制度が整えられていく途上の時期である。その時期に、農村の医家が患者を泊めて看るための建物を、住まいとは別に構えていた。旧北村医院(李軒邸)西病棟は、個人の医家が患者を泊めて看た場の姿を今に残す。

見どころ

六畳2室を東西に並べた各階

旧北村医院(李軒邸)西病棟は1階・2階とも、六畳間を東西に2室並べ、南北の両面に窓を開ける。南と北から風と光を取る、単純で明快な平面である。入口と階段は南面の東端にまとめ、東面に付けた下屋に物入と便所を収める。

起り天井と釣床の2階

2階の天井は、中央がわずかに持ち上がる起り天井で、部屋には釣床を設ける。釣床は、床板を張らずに上部の落とし掛けや小壁だけで床の間の構えをつくる簡略な形式である。療養の部屋でありながら、座敷としてのしつらえを備えている点が、旧北村医院(李軒邸)西病棟のいちばんの特徴といえる。

主屋の奥という位置

旧北村医院(李軒邸)西病棟は、主屋や診療棟が並ぶ南側ではなく、主屋の北、裏門の脇に置かれた。外来の患者が行き来する表から離れた、敷地の奥に病室を設けた配置である。

見学について

旧北村医院(李軒邸)西病棟は主屋の北側にあり、2026年9月27日の時点で公開の案内は確認できなかった。2階の起り天井や釣床は室内の意匠で、見る機会はない。文化庁のデータベースには、南東から見た外観と、東から見た2階の室内の写真が載っている。個人の敷地のため、裏門を含めて門内には入らないでほしい。

Q&A

Q旧北村医院(李軒邸)西病棟はいつ建てられましたか?
A明治前期(1868年から1882年)です。旧北村医院に残る病棟のうち、昭和前期の東病棟より古い建物です。
Q旧北村医院(李軒邸)西病棟の部屋はどうなっていますか?
A1階・2階とも六畳間を東西に2室並べ、南北に窓を設けています。入口と階段は南面の東端、物入と便所は東面の下屋にあります。
Q旧北村医院(李軒邸)西病棟の2階の特徴は何ですか?
A天井は中央がわずかに持ち上がった起り天井で、床の間を簡略につくる釣床を備えています。
Q旧北村医院(李軒邸)西病棟はなぜ登録有形文化財なのですか?
A「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として令和3年(2021年)10月14日に登録されました。明治の医家の様子を伝える希少な建築と評価されています。
Q旧北村医院(李軒邸)西病棟は見学できますか?
A2026年9月27日時点で公開の案内はありませんでした。個人の敷地内の建物なので、立ち入りは控えてください。

基本情報

名称旧北村医院(李軒邸)西病棟
所在地滋賀県長浜市鳥羽上町761
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺、建築面積29平方メートル
所有者非公表
公開状況非公開(公開の案内なし。2026年9月27日確認)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁): 旧北村医院(李軒邸)西病棟
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014032
文化庁: 文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)について(令和3年7月16日)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/93246101_01.pdf

最終更新日: 2026.09.26