不破家住宅土蔵とは

不破家住宅土蔵(ふわけじゅうたくどぞう)は、滋賀県彦根市高宮町の旧中山道高宮宿にある不破家住宅の蔵で、嘉永6年(1853年)に建てられ、平成28年(2016年)11月29日に登録有形文化財となった。土蔵造の2階建、瓦葺で、建築面積は39平方メートルある。

主屋の東の後方に、棟を南北に通して建つ。桁行7.9メートル、梁間5.0メートルの規模である。

建築年は主屋の安政4年(1857年)より4年早く、登録された4件のなかでは不破家住宅土蔵がいちばん古い。

「再現が容易でない」とされた理由

不破家住宅の4件のうち、不破家住宅土蔵だけは「再現することが容易でないもの」の基準で登録有形文化財になった。登録番号は25-0381で、ほかの3件は景観への寄与を理由としている。

文化庁の解説は、この蔵を左官の技法に見るべきところのある土蔵と評している。壁を土と漆喰で塗り重ね、飾りまで鏝で仕上げる仕事は、同じ手間と技量をそろえて今つくり直すのが難しい。登録基準の違いは、そうした手仕事の厚みを示している。

龍の鏝絵と塗り込めの壁

不破家住宅土蔵の戸口は西面の南寄りにあり、その前に下屋を差し掛けている。扉の枠を飾るのが、龍を漆喰で盛り上げて描いた鏝絵である。左官が鏝で漆喰を盛り上げ、立体的に形をつくる技である。

外壁は漆喰塗で、壁の上部から軒先までを塗り込めている。木部を外に出さず、軒の先端まで土と漆喰で包むことで、火が回りにくい蔵になる。

置屋根と登梁の絵様

不破家住宅土蔵の屋根は置屋根である。塗り込めた土蔵の本体の上に、別に組んだ屋根を載せる形式で、屋根は切妻造の桟瓦葺とする。

その置屋根を支える登梁の端、登梁鼻には絵様が刻まれている。塗り込めた白い壁のなかで、木の彫りが見える数少ない場所である。軒先まで塗り込めた壁と、そこから顔を出す登梁鼻の対比が、この蔵の細部の見どころになる。

不破家住宅土蔵の見学

不破家住宅土蔵は個人の敷地の奥、主屋の東の後方に建ち、旧中山道からは主屋の陰になる。内部は公開されておらず、鏝絵のある戸口を間近に見られる公開の案内も、確認した範囲では見当たらなかった。

敷地の内側には入れないので、見学は公道からに限られる。通りから見えるのは主屋と門の表構えまでで、土蔵の姿はほとんど望めないことを知ったうえで訪ねたい。

Q&A

Q不破家住宅土蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースによれば嘉永6年(1853年)です。主屋(1857年)より4年早く建てられました。
Q不破家住宅土蔵はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A「再現することが容易でないもの」の基準で、平成28年(2016年)11月29日に登録されました。登録番号は25-0381です。左官の技法が評価されています。
Q不破家住宅土蔵の鏝絵には何が描かれていますか?
A西面の戸口の扉枠に、漆喰で盛り上げた龍が表されています。
Q不破家住宅土蔵の大きさは?
A桁行7.9メートル、梁間5.0メートル、建築面積39平方メートルの2階建です。
Q不破家住宅土蔵は見学できますか?
A個人の敷地の奥にあり、内部も公開されていません。旧中山道からは主屋の陰になり、ほとんど見えません。

基本情報

名称不破家住宅土蔵(ふわけじゅうたくどぞう)
所在地滋賀県彦根市高宮町字上出2351
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号25-0381
指定年平成28年(2016年)11月29日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積39平方メートル、桁行7.9メートル、梁間5.0メートル
所有者個人
公開状況非公開(旧中山道からはほとんど見えない)

参考文献

国指定文化財等データベース 不破家住宅土蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011332
文化遺産オンライン 不破家住宅土蔵(文化庁)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/299179
国指定文化財等データベース 不破家住宅主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011331

最終更新日: 2026.09.28