二つの世界を繋ぐ結び目

渡廊下は、旧藤井家の屋敷で主屋と客殿を繋ぐ。木造平屋建ての小さな廊で、幅は約4尺、長さ4間、屋根は桟瓦葺、建築面積はわずか約10㎡である。内部は小丸太の垂木と、長枌板を用いた化粧屋根裏天井を架け、壁は色土壁とする。

屋敷の主は近江商人・藤井彦四郎(1876〜1956年)で、質素な主屋に対し、得意先を迎える客殿を格段に豪華に構えた。渡廊下は、その二つの世界を繋ぐ結び目にあたる。昭和8年(1933年)の建築である。

登録と価値

渡廊下は平成14年(2002年)2月14日、登録番号25-0186として登録された。平成9年に登録された屋敷の主要な建物群から、数年遅れて登録に加わった。

附属の廊ながら、造作は丁寧である。小丸太の垂木、長枌板の天井、色土壁が、小さな連絡路に瀟洒な性格を与えている。単なる付け足しではなく、屋敷の構えに欠かせない一棟として数えられる理由がここにある。

見どころ

質素な主屋と華やかな客殿の間を移る途中、この廊で足元と頭上の格の変化を感じ取りたい。化粧屋根裏の天井と垂木を見上げれば、短い連絡路を通常の勝手向きの造りから引き上げた細部が見て取れる。

Q&A

Q渡廊下は何を繋いでいますか。
A旧藤井家の屋敷の主屋と客殿を繋いでいます。
Q大きさは。
A幅約4尺、長さ4間、建築面積約10㎡の小さな平屋の廊です。
Q内部の見どころは。
A小丸太の垂木、長枌板の化粧屋根裏天井、色土壁です。
Qなぜ他の建物より登録が遅いのですか。
A平成14年(2002年)2月14日に登録され、平成9年登録の主要群から数年遅れて加わりました。
Q小さくても見る価値がありますか。
Aあります。丁寧な仕上げにより、屋敷の設計に欠かせない一棟とされています。

基本データ

名称五個荘町歴史民俗資料館(旧藤井家住宅)渡廊下
所在地滋賀県東近江市宮荘町681-2
指定区分登録有形文化財(建造物)/登録 平成14年2月14日・登録番号25-0186
構造木造平屋建、瓦葺、建築面積10㎡
年代昭和8年(1933年)
所有者東近江市
公開資料館敷地内、開館10時〜16時30分(月曜ほか休館)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁) — 五個荘町歴史民俗資料館(旧藤井家住宅)渡廊下
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002635
東近江市観光協会 — 五個荘近江商人屋敷 藤井彦四郎邸
https://www.higashiomi.net/media/miru/a150
滋賀県観光情報 — 五個荘近江商人屋敷(藤井彦四郎邸)
https://www.biwako-visitors.jp/spot/detail/1011/

最終更新日: 2026.07.04