初田家住宅とは

初田家住宅は、滋賀県大津市中央2丁目にある江戸時代末期の町家の屋敷で、主屋・土蔵・塀の3件が平成22年(2010年)4月28日に国の登録有形文化財に登録されている(文化庁)。3件とも江戸時代末期の建築とされ、主屋は昭和9年(1934年)に改修を受けている。

屋敷は中町通りの北側にあり、主屋が通りに南面して建つ(文化庁)。敷地の東側にも道が通り、主屋の背面から北へ延びる塀がこちらの道に面する。2本の道に接する敷地に、表の主屋、奥の土蔵、脇の塀が収まっている。

文化庁は主屋を大津市内の典型的な町家と評している。大津市が国の認定を受けて進める歴史的風致維持向上計画にも、初田家住宅の主屋・土蔵・塀が掲げられている(大津市)。

大津百町の町並みのなかで

まちづくり大津の町歩きマップによれば、大津の旧市街は天正14年(1586年)頃に琵琶湖岸へ大津城が築かれ、城下町が開かれたことに始まる。江戸時代には湖上水運の港町、東海道の宿場町、三井寺の門前町を兼ねて栄え、町の数が100を超えたことから「大津百町」と呼ばれた。京都の町家の影響を受けた大津町家が、いまも各所に残る。

初田家住宅の前を通る中町通りは、旧東海道にあたる京町通りと湖岸寄りの浜通りの間を東西に走る通りで、同じマップの町家めぐりの図にも初田家住宅の位置が記されている。

3件の構成

  • 主屋(登録番号25-0289):中町通りに南面する木造2階建の町家。間口9.1メートル、建築面積121平方メートルで、江戸時代末期の建築、昭和9年(1934年)に改修(文化庁)
  • 土蔵(登録番号25-0290):主屋の北奥に南北棟で建つ土蔵造2階建。桁行6.0メートル、梁間4.8メートル、建築面積29平方メートルで、内部に祭礼のしつらえを納める(文化庁)
  • 塀(登録番号25-0291):敷地東側の道に沿って主屋の背面から北へ延びる木造の塀。延長9.2メートル(文化庁)

登録の基準は、主屋が「造形の規範となっているもの」、土蔵と塀が「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である(文化庁)。文化庁は、塀が主屋と一連になって伝統的な街路の景観をつくっていると評している。各棟の構造と見どころは、それぞれのページで扱っている。

屋敷の見方

まず中町通りに立ち、主屋の正面を見たい。白い漆喰塗りの真壁に、2階の虫籠窓と1階の出格子が並ぶ(文化庁)。

角を折れて東側の道へ入ると、主屋の背中から塀が北へ続く。土蔵はこの塀の内側、主屋の北奥に建つ。表から奥へ、主屋・塀・土蔵の順に屋敷の構えをたどることができる。

見学について

初田家住宅について、一般公開や内部見学の案内は公的な資料では確認できなかった。所有者は文化庁のデータベースに記載がない。見学は道路から外観を眺める形になる。

最寄りの駅は、JR琵琶湖線の大津駅と京阪のびわ湖浜大津駅である。地図上の直線距離で、大津駅から北へおよそ540メートル、びわ湖浜大津駅から南へおよそ410メートルにあたる。

参考文献

初田家住宅主屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008138
初田家住宅土蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008139
初田家住宅塀(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008140
初田家住宅主屋(文化遺産オンライン)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/222589
認定歴史的風致維持向上計画の変更箇所一覧(大津市)
https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/16/henkoukasyoichiran_r6.pdf
大津町家めぐり(株式会社まちづくり大津 まちあるきマップ)
https://www.machidukuri-otsu.jp/machidukuri/wp-content/themes/machidukuri/assets/pdf/07.pdf

最終更新日: 2026.10.19

基本情報

名称初田家住宅
所在地滋賀県大津市中央2-14
指定登録有形文化財 3件
座標35.00785, 135.86641