鏡神社とは

鏡神社は、滋賀県蒲生郡竜王町鏡にある神社で、室町時代中期(1393〜1466年)の本殿と、鎌倉時代後期(1275〜1332年)の石造の宝篋印塔の2件が国の重要文化財に指定されている(文化庁)。指定日は、本殿が明治34年(1901年)8月2日(旧法による指定の日付)、宝篋印塔が昭和35年(1960年)2月9日である。読みは「かがみじんじゃ」。2件とも鏡神社の所有である。

祭神は、製陶の技術を伝えたとされる新羅の王子、天日槍(あめのひぼこ)である。天日槍が持ってきた鏡をこの地に納めたという伝えがあり、竜王町観光協会はこれを「鏡」の地名の由来として紹介している。竜王町の報告書は、『日本書紀』垂仁天皇3年の条にある天日槍の伝承と、鏡山の麓に残る須恵器の古窯址群とを結びつけて説明している。

鏡の宿と義経元服の伝承

鏡神社の前を通る国道8号は、古代の東山道、のちの中山道にあたる。このあたりは「鏡の宿」と呼ばれ、平安時代末期から室町時代にかけて宿場としてにぎわったが、江戸時代には守山宿と武佐宿のあいだの「間の宿」になった(竜王町観光協会)。

源義経が奥州へ向かう途中に鏡の宿で元服したという伝承もこの土地に根づいている。鏡神社の参道には、元服を終えた義経が参拝の際に烏帽子を掛けたとされる松が、明治6年(1873年)の台風で倒れたあとも株を残して保存されている。竜王町観光協会が主催する「鏡の里 義経元服式」は、道の駅竜王かがみの里から鏡神社まで行列し、拝殿で髪上げや加冠の儀を行う催しで、令和8年(2026年)は11月22日に行われる。

鏡神社の重要文化財2件の位置

鏡神社本殿は、国道8号の北側にある鏡神社の境内に建つ。境内には拝殿もあり、元服式の儀式はこの拝殿で行われる。

参道の石段と鏡神社の鳥居
参道の石段と鏡神社の鳥居GlenFC / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons

鏡神社宝篋印塔は境内の外にあり、本殿から南西へ直線でおよそ250メートル、国道8号を挟んだ山裾の西光寺跡に立つ。西光寺は伝教大師(最澄)が鏡山十二峰の一つ星ケ峰の麓に建てたと伝わる寺で、織田信長の兵火(1571年)で廃寺になった。同じ西光寺跡には、応永28年(1421年)の銘をもつ八角形の石灯籠も立っている(竜王町観光協会)。

2件は造られた時代も種類も違う。本殿は木造の社殿、宝篋印塔は花崗岩の石塔であり、それぞれの構造と見どころは各ページで扱っている。

鏡神社への行き方と見学

鏡神社の最寄り駅はJR琵琶湖線の篠原駅で、本殿までは直線でおよそ1.5キロ、徒歩で20分ほどかかる。竜王町観光協会は、近江八幡駅からバスでおよそ20分、車では名神高速道路の竜王インターチェンジを利用する経路を案内している。

鏡神社の参拝時間や拝観料について、神社や町による公式の案内は確認できなかった。本殿・宝篋印塔とも内部や近接での特別公開の案内は見当たらないため、外から見学する前提で訪ねたい。

参考文献

鏡神社本殿(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/1491
鏡神社宝篋印塔(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/1492
竜王の名所旧跡(竜王町観光協会)
https://ryuoh.org/meisyo/
鏡の里エリア(竜王町観光協会)
https://ryuoh.org/area/kagaminosato/
アクセス情報(竜王町観光協会)
https://ryuoh.org/access/
鏡の里 義経元服式(竜王町観光協会)
https://ryuoh.org/gyoji-matsuri/kagaminosato-genpukushiki/
「竜王らしい、竜王ならでは」の文化とは(竜王町、竜王の文化を検討する懇話会 報告書)
https://www.town.ryuoh.shiga.jp/life/education/bunka_kentou_konwakai/houkokusho.pdf

最終更新日: 2026.10.29

基本情報

名称鏡神社
所在地滋賀県蒲生郡竜王町大字鏡
所有者鏡神社
指定重要文化財 2件
座標35.08683, 136.07905