宝篋印塔とは
宝篋印塔は、下から基礎、塔身、笠、相輪の四つの部分からなる石塔の形式である。津山市の解説は、宝篋印塔を中・近世に墓や信仰に関わる塔として全国各地でつくられた石塔と説明している。もとは宝篋印陀羅尼経を納める塔の形に由来するとされ、のちに供養塔や墓塔として広く建てられた。
方形の塔身の四面には、仏を表す梵字(種子)を刻むことが多い。笠は上下に段形を重ね、その四隅に隅飾と呼ぶ耳のような突起を立てるのが最大の特徴である。基礎の側面には格狭間を刻むことがある。隅飾の傾きや形、笠の段の数などは時代によって変わり、造立の年代を推定する手がかりになる。
記録と実物で見分ける手がかり
記録や解説では、各部の形が細かく書かれる。兵庫県加古川市指定の石造宝篋印塔は、基礎の四面に輪郭を巻いて格狭間を彫り、塔身の四方に金剛界四仏の種子を刻み、笠は下二段上六段の定型式で隅飾りがわずかに外傾し、相輪部は折れたものを継ぎ直して完備すると記される。静岡県下田市の河内の宝篋印塔は、建武元年(1334年)に建立された供養塔で、台座の格狭間や反花、笠の隅飾突起などに鎌倉時代の意匠がうかがえるとされる。岡山県倉敷市の堂応寺の宝篋印塔は、正和3年(1314年)在銘で鎌倉時代の典型的作風を示す重要文化財である。
現地では、塔身が方形か、笠の四隅に突起が立っているかを見る。塔身が円筒形なら宝塔、球形の部分をもち五つの部分を積むなら五輪塔である。
参考文献
- 石造宝篋印塔の解説|津山市
- https://www.city.tsuyama.lg.jp/common/photo/free/files/15741/202211021400580149915.pdf
- 石造宝篋印塔(加古川市指定)|文化遺産オンライン
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/229238
- 河内の宝篋印塔|しずおか文化財ナビ
- https://www.pref.shizuoka.jp/kankosports/bunkageijutsu/bunkazai/1002825/1041003/1041886/1004958/1020762.html
- 宝篋印塔(堂応寺)|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3087
最終更新: 2026.09.26