相輪とは

相輪は、仏塔の屋根の頂に立つ柱状の飾りである。下から、露盤、伏鉢、請花、九つの輪を重ねた九輪、炎をかたどった透かし彫りの水煙、竜車、宝珠などを順に重ねる構成が一般的で、全体を中心の軸(擦管)が貫く。木造の塔では金属製が多く、石造の塔では石で刻む。

相輪は、塔が仏舎利をまつる建物であることを示す部分で、インドの仏塔(ストゥーパ)の頂の傘蓋に由来するとされる。俗に「九輪」とも呼ぶが、九輪は本来、相輪の中の輪の部分の名称である。木造の三重塔・五重塔・多宝塔のほか、宝塔や宝篋印塔などの石塔の頂にも載る。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では、相輪の意匠や修理の履歴が書かれる。奈良の薬師寺東塔の解説は、相輪の水煙に奏楽する天人の彫刻をもつ造形美を挙げている。広島県尾道市の浄土寺多宝塔は、元禄元年(1688年)に相輪を取り替え、相輪の内部には建立にあたって結縁書写した法華経などが多数納められていたと記録される。滋賀県大津市の延暦寺には、相輪だけを独立して地上に立てた青銅製の相輪橖があり、重要文化財に指定されている。石造の宝篋印塔でも、加古川市指定の塔の解説のように、頂の相輪部の残り具合が記される。

相輪は取り替えられていることが多く、塔本体と同じ時代とは限らない。記録や修理報告で相輪の年代を確かめたい。

参考文献

薬師寺東塔|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/123477
浄土寺多宝塔|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/148321
延暦寺相輪橖|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1325
石造宝篋印塔(加古川市指定)|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/229238

最終更新: 2026.09.26