心柱とは

心柱は、三重塔や五重塔などの木造の仏塔の中心を、上下に貫いて立つ太い柱である。塔の頂にある相輪を支え、その重みを受ける。塔の各重の屋根や軸部は、心柱のまわりに積み重ねるように組まれ、心柱そのものは各重の床や梁とは強く結ばれていないことが多い。

古代の塔では、心柱を地中の礎石の上に立て、地面から頂まで一本で通した。中世以降は、初重(一階)の天井の上で心柱を止め、初重の内部には下ろさない形式が一般的になる。愛媛県の解説は、心柱を一階天井で止めて一階内部に下ろさない形を、中世以来の典型的な塔婆の形式としている。初重の内部はそのぶん広く使え、中央に仏像を安置できる。

神社の本殿の床下に立てる心御柱とは、名前が似ているが別のものである。

記録と実物で見分ける手がかり

記録や解説では、心柱の断面の形や止め方が書かれる。青森県弘前市の最勝院五重塔は、寛文7年(1667年)に竣工した三間五層の塔で、心柱は角柱で初層の天井裏までで止められ、初層には大日如来が安置されている。岡山県総社市の宝福寺三重塔は、永和2年(1376年)建立の三間三重塔で、心柱を初層の天井までにとどめる。

心柱は塔の内部にあり、外からは見えない。特別公開などで初重の内部に入れる場合は、中央に柱が立っているか、天井で止まっているかを確かめるとよい。

参考文献

最終更新: 2026.09.26