三重塔とは
三重塔は、屋根を三重に重ねた仏塔である。仏舎利や仏像をまつるための建物で、五重塔と並んで日本の木造塔の代表的な形式になっている。平面は正面・側面とも三間の方三間が一般的で、中心に心柱を立て、頂に相輪を載せる。
内部は、初重に仏像を安置し、二重以上は床を張らずに構造材を組むだけのことが多い。愛媛県の興願寺三重塔の解説は、一階を三間四方として内部に四天柱を立て、二重以上は塔婆の通例に従って内部を仕上げないと説明している。
外から見える屋根の数が三つとは限らない点に注意が必要である。各重や初重に裳階を付けた塔では、裳階の屋根が加わるため、三重塔でも屋根が四重や六重に見える。
記録と実物で見分ける手がかり
記録では「三間三重塔婆」のように、平面の間数と重数で形式が書かれる。奈良の薬師寺東塔は、天平2年(730年)の建立と考えられる三間三重塔婆で、各重に裳階を付けるため三重塔であるが屋根は六重になると解説される。長野県上田市の安楽寺八角三重塔は、初重に裳階を付けるため四重屋根となり、現存唯一の八角形平面の塔で、禅宗様の詰組の三手先組物をもつ。岡山県総社市の宝福寺三重塔は、室町前期の三間三重塔婆である。
現地では、屋根の数を数えるだけでなく、各屋根の下に組物をもつ本来の軸部があるか、裳階の小さな屋根かを見分ける。裳階の屋根は本体の屋根より出が小さく、組物も簡素なことが多い。
参考文献
- 薬師寺東塔|文化遺産オンライン
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/123477
- 安楽寺八角三重塔|文化遺産オンライン
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/188773
- 宝福寺三重塔|文化遺産オンライン
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/157565
- 興願寺三重塔|愛媛県の文化財
- https://ehime-c.esnet.ed.jp/bunkazai/kennobunkazai/shiteibunkazai/kenzoubutsu/pdf-files/ken/1-1-17kouganjisanjunotou.pdf
最終更新: 2026.09.26