長命寺三重塔とは:慶長2年に完成した桃山時代の塔

長命寺三重塔(ちょうめいじさんじゅうのとう)は、滋賀県近江八幡市長命寺町の長命寺にある桃山時代の三重塔で、大正12年(1923年)に重要文化財に指定された。

文化庁の記録では、慶長2年(1597年)の建立で、形式は三間三重塔婆、屋根はこけら葺である。棟札3枚が附として塔と一緒に指定されている。

『滋賀県百科事典』によると、建立の年は縁の高欄に付く擬宝珠の刻銘から分かり、慶長2年にはほぼ完成していたとみられる。長命寺三重塔は本堂の東側に建つ。

長命寺三重塔の価値:細く高い近世の比例

『滋賀県百科事典』は、長命寺三重塔の初重の柱間の総長を4.85メートル、総高を24.35メートルとしている。高さが初重の幅のおよそ5倍に達する計算で、初重の大きさに対して塔全体が高くなるのは近世の塔の特徴だという。

同書はまた、木割(部材の寸法の割り付け)や工法が発達した桃山時代の三重塔を知るうえで貴重だと述べる。永正13年(1516年)の兵火から約80年を経て、長命寺の伽藍の復興が塔の建立にまで及んだことを示す建物でもある。

重要文化財に指定された境内の6棟のうち、こけら葺は長命寺三重塔だけで、ほかの5棟は檜皮葺である。薄い木の板を重ねた屋根が、本堂などの檜皮の屋根と並ぶ。

長命寺三重塔の見どころ

長命寺三重塔の前に立ったら、まず各層の屋根の出と塔身の細さを見比べたい。屋根が軽やかに張り出す一方、塔身は上へ向かって絞られ、細長い輪郭をつくっている。

初重の周りには高欄付きの縁がめぐる。建立年を伝える刻銘はこの高欄の擬宝珠にあるとされ、塔の年代を決めた手がかりが、参拝者の目の高さに近い場所に付いていることになる。

境内での位置も見ておきたい。長命寺三重塔は本堂の東にあり、両者のあいだに護摩堂が建つ。本堂、護摩堂、塔が近い間隔で並ぶので、境内の西寄りから東を望むと、檜皮葺とこけら葺の屋根が重なり合って見える。

長命寺三重塔の見学方法

長命寺三重塔は外観を見学する建物である。塔の内部を公開するという公式な案内は見当たらなかった。境内は拝観時間(午前8時から午後5時)のあいだ自由に参拝でき、拝観料はかからない。

塔の全体を収めたいときは、少し離れた本堂の前あたりから見上げるとよい。撮影についての公式な決まりは確認できなかったので、現地の掲示に従ってほしい。境内までの行き方は長命寺のページにまとめてある。

Q&A

Q長命寺三重塔はいつ建てられたのですか?
A桃山時代の慶長2年(1597年)です。高欄の擬宝珠に刻まれた銘から、この年にほぼ完成したとみられています。
Q長命寺三重塔の高さはどのくらいですか?
A『滋賀県百科事典』によると総高は24.35メートル、初重の柱間の総長は4.85メートルです。
Q長命寺三重塔はいつ重要文化財に指定されましたか?
A大正12年(1923年)3月28日に指定されました。棟札3枚も附として指定されています。
Q長命寺三重塔の中に入れますか?
A内部を公開するという公式な案内は見当たりません。外観は拝観時間の午前8時から午後5時まで、無料で見学できます。
Q長命寺三重塔の屋根はほかの堂とどう違いますか?
A境内の重要文化財6棟のうち、長命寺三重塔だけがこけら葺で、ほかの5棟は檜皮葺です。

基本情報

名称長命寺三重塔(ちょうめいじさんじゅうのとう)
所在地滋賀県近江八幡市長命寺町
指定区分重要文化財(建造物)
指定年大正12年(1923年)3月28日
員数1基(附 棟札3枚)
寸法三間三重塔婆、こけら葺。総高24.35メートル、初重柱間総長4.85メートル(『滋賀県百科事典』)
所有者長命寺
公開状況外観は見学可(午前8時〜午後5時、拝観料無料)。内部公開の案内なし

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「長命寺三重塔」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1405
国立国会図書館 レファレンス協同データベース「長命寺本堂・三重塔・護摩堂・鐘楼の概要を知りたい。」(『滋賀県百科事典』を引用)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000102778
文化庁 国指定文化財等データベース「長命寺護摩堂」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1407
西国三十三所札所会「第三十一番 長命寺」
https://saikoku33.gr.jp/place/31

最終更新日: 2026.10.04