風鐸とは

風鐸は、仏塔や仏堂の軒の四隅や、塔の相輪などに吊るす、鐘の形をした鈴である。青銅でつくり、金メッキ(鍍金)を施したものもある。中に舌と呼ぶ振り子を下げ、その先に風を受ける板を付けて、風に揺れると鳴るようにしている。

古代寺院では、塔や金堂の軒に風鐸を吊るすのが一般的で、寺院跡の発掘調査では風鐸やその舌が出土する。奈良市教育委員会による大安寺西塔跡の調査では、大小二種類の風鐸が見つかり、大型のものが軒先に、小型のものが相輪に使われていたと考えられている。

記録と実物で見分ける手がかり

文化財としての風鐸は、建物に付いたまま建物の一部として伝わるほか、出土品として考古資料に分類されることが多い。奈良国立博物館には、和歌山市の上野廃寺出土と伝わる飛鳥時代(白鳳期)の銅製鍍金の風鐸が収蔵されている。東京国立博物館には、京都市右京区の周山廃寺址から出土した金銅製風鐸や鉄製の舌が伝わる。

現存の塔では、軒の四隅の隅木の先に風鐸を吊るす金具や孔が残ることがある。現地では、塔や堂の軒の角を見上げ、鐘形の飾りが下がっているか、吊り金具の跡があるかを確かめるとよい。

参考文献

風鐸(伝和歌山県上野廃寺出土)|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/215013
金銅製風鐸(周山廃寺址出土)|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/472064
史跡大安寺旧境内(塔院地区)の発掘調査|奈良市
https://www.city.nara.lg.jp/uploaded/attachment/4802.pdf

最終更新: 2026.09.26