藤田家住宅蔵とは

藤田家住宅蔵は、徳島県板野郡北島町新喜来にある明治28年(1895年)に建てられた土蔵で、平成28年(2016年)に登録有形文化財となった。

主屋の西に建つ土蔵造の二階建で、瓦葺、建築面積は23平方メートル。屋敷に登録された5件のなかでいちばん古く、主屋が今の姿になるより30年あまり前から、この場所で家財を守ってきた。

西の長屋門から北へ延びる鉄筋コンクリートの塀は、この蔵まで届いて止まる。屋敷の西側の囲いは、長屋門、塀、蔵の三つで一続きに閉じられている。

登録の理由と価値

藤田家住宅蔵は、平成28年(2016年)11月29日付の第85回登録で登録番号36-0151を受けた。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

文化庁の解説は、この蔵が、古くから洪水に悩まされてきた河口域の蔵の特色を備えていると評している。吉野川の河口に近い三角州の土地では、川があふれれば屋敷も水につかる。藤田家住宅蔵の値打ちは、そうした土地で家財を守るために何をしたかが、建物の形にそのまま表れている点にある。

構造と見どころ

高く積んだ基礎石

まず目を向けたいのは足元である。基礎の石を高く積み上げて、床面を地面よりかなり高くしている。浸水しても中の品が水をかぶらないようにする備えで、河口域の蔵の特色として文化庁が挙げているのがこの点である。

下見板の腰と漆喰の壁

外壁は、下の腰の部分を下見板張とし、その上を軒まで漆喰で塗り籠めている。水はねや泥を受けやすい下部は板で守り、上部は火に強い漆喰で包む。二つの仕上げの境目が、壁の役割の境目でもある。

柱を密に立てた土蔵造

構造は柱を密に立てた土蔵造で、屋根は切妻造の本瓦葺。内部は一階、二階ともに一室で、出入口は南側の妻面のやや右寄りに開く。小さな平面に頑丈な骨組みをもたせた、守りに徹した建物である。

見学について

藤田家住宅蔵は個人の住まいの一部で、内部は公開されていない。2026年10月時点で見学の案内は確認できなかった。敷地の西側の囲いの一部をなしているが、外からどこまで見えるかについて公的な案内はなく、敷地内には立ち入らないようにしたい。

高い基礎と漆喰の壁の様子は、文化庁の国指定文化財等データベースに掲載された北島町教育委員会提供の写真で確かめられる。

Q&A

Q藤田家住宅蔵はいつ建てられましたか?
A明治28年(1895年)の建築です。藤田家住宅で登録された5件のなかでいちばん古い建物です。
Q藤田家住宅蔵の基礎が高いのはなぜですか?
A洪水への備えです。吉野川の河口域は古くから洪水に悩まされてきた土地で、基礎石を高く積んで床面を高め、中の品が水をかぶらないようにしています。
Q藤田家住宅蔵の内部はどうなっていますか?
A一階、二階ともに一室で、南側の妻面のやや右寄りに出入口があります。内部は公開されていません。
Q藤田家住宅蔵の外壁の仕上げは?
A腰の部分を下見板張とし、その上を軒まで漆喰で塗り籠めています。屋根は切妻造の本瓦葺です。
Q藤田家住宅蔵は見学できますか?
A見学できません。個人の住まいの一部で、2026年10月時点で公開の案内はありません。外観は文化庁データベースの写真で見ることができます。

基本情報

名称藤田家住宅蔵
所在地徳島県板野郡北島町新喜来字南古田57
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成28年(2016年)11月29日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積23平方メートル
所有者文化庁データベースに記載なし(個人の住まい)
公開状況非公開(個人の住まい。公開の案内なし)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「藤田家住宅蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011422
文化遺産オンライン「藤田家住宅蔵」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/299269

最終更新日: 2026.10.07