山下家住宅米蔵とは
山下家住宅米蔵は、徳島県三好市井川町辻にある明治16年(1883年)建築の土蔵造2階建の蔵で、平成29年(2017年)10月27日に国の登録有形文化財に登録された。主屋の背面側、敷地の西の端に建つ。
建築面積は52平方メートル。屋根は切妻造の本瓦葺で、一部を桟瓦葺とする。年代のはっきりわかる建物としては山下家住宅で最も古く、主屋より16年早い。
水路から荷を揚げた背面の入口
山下家住宅米蔵の内部は3室に区切られ、東の面に扉口を2か所開く。敷地の内側、主屋の側から出入りするための戸口である。
注目したいのは、もうひとつの入口である。背面側の中央にも入口があり、文化庁の解説によれば、かつてここを流れていた水路から荷を揚げるのに使われたと伝えられる。舟で運ばれてきた米や荷を、道を通さず直接蔵へ納めていたことになる。
辻は、山あいで育てた葉煙草をはじめとする産物が集まり、送り出された町だった。山下家住宅米蔵の背面の入口は、その流通が水運と結びついていたことを、建物の形で示している。水路そのものは解説が「かつての」と書くとおり、現在は残っていないとみられる。
山下家住宅米蔵の屋根
屋根は本瓦葺を基本とし、一部だけ桟瓦葺になっている。本瓦葺は平瓦と丸瓦を交互に重ねる重厚な葺き方で、桟瓦葺は1枚の瓦で両方の役目を兼ねる軽い葺き方である。どの部分がなぜ桟瓦なのかを解説は記していないが、修理の際に葺き替えた跡である可能性もある。
山下家住宅米蔵が登録された理由
山下家住宅米蔵は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁の解説は、水路からの荷揚げ口を持つこの蔵が、煙草などの生産地・集散地として栄えた辻の歴史を今に伝えていると評価している。主屋の背後で米と荷を守ってきた蔵であると同時に、町の流通の仕組みを読み取れる建物である。
山下家住宅米蔵の見学
山下家住宅米蔵の内部公開の案内は見当たらない(2026年10月確認)。主屋の背後、敷地の西端に建つため、街道や周りの道からどこまで見えるかは確認できていない。撮影についての公式の案内もない。外から眺める場合も、敷地に立ち入らず、住まいの様子を写し込まないよう気を配りたい。辻への行き方は山下家住宅(三好市)のページにまとめてある。
Q&A
- 山下家住宅米蔵はいつ建てられたのですか?
- 明治16年(1883年)の建築です。平成29年(2017年)10月27日に国の登録有形文化財に登録されました。
- 山下家住宅米蔵の背面の入口は何に使われたのですか?
- 文化庁の解説によれば、かつて背後を流れていた水路から荷を揚げるのに使われたと伝えられています。
- 山下家住宅米蔵の構造は?
- 土蔵造2階建で、屋根は切妻造の本瓦葺、一部を桟瓦葺とします。内部は3室に分かれ、建築面積は52平方メートルです。
- 山下家住宅米蔵は山下家住宅のどこにありますか?
- 主屋の背面側、敷地の西の端に建っています。東の面に敷地側からの扉口が2か所あります。
- 山下家住宅米蔵は見学できますか?
- 内部公開の案内は見当たりません(2026年10月確認)。主屋の背後に建つため、道からの見え方も確認できていません。
基本情報
| 名称 | 山下家住宅米蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 徳島県三好市井川町辻76-2他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成29年(2017年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積52平方メートル |
| 所有者 | 不明(文化庁データベースに記載なし) |
| 公開状況 | 内部非公開 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)山下家住宅米蔵
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012062
- 文化遺産オンライン 山下家住宅米蔵
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/289923
- 文化庁 登録有形文化財(建造物)の登録について(平成29年7月21日答申)
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/r1392281_22.pdf
最終更新日: 2026.10.01