十五番歌合とは:藤原公任の秀歌撰を伝える平安の古筆

十五番歌合(彩牋)(じゅうごばんうたあわせ)は、東京都目黒区の公益財団法人前田育徳会(尊経閣文庫)が所有する平安時代の書跡1巻で、昭和26年(1951年)6月9日に国宝に指定された。

文化庁の記録では、種別は書跡・典籍、時代は平安、員数は1巻である。名称の「彩牋」は、装飾を施した料紙に書かれていることを示す。

文化庁が同じ系統の写本「前十五番歌合(彩牋)」に付した解説は、尊経閣文庫が所蔵する国宝の十五番歌合(彩牋)を、藤原公任の筆と伝える平安時代の古筆で、8首だけが残る残欠と記している。

十五番歌合という作品

文化庁の解説によると、『十五番歌合』は、古来の歌人30名の優れた和歌を1首ずつ選び、左右に組み合わせて15番の歌合の形に並べた秀歌撰である。

撰者は大納言藤原公任(966年から1041年)とされる。『後拾遺和歌集』の序に、公任が三十六歌仙を撰び、続いて15組の歌合を世に伝えたと記されていることによる。成立は寛弘5年(1008年)前後と考えられている。

同じころ、歌人30名による15番の歌合が2種撰ばれており、入撰した歌人の時代の古い方を「前十五番歌合」、新しい方を「後十五番歌合」と呼び分ける。「前十五番歌合」は、一番に紀貫之と凡河内躬恒、二番に素性と伊勢を置き、十五番に柿本人麻呂と山部赤人を番える。公任の和歌の見識を、歌合の形で示したものとみられている。

十五番歌合(彩牋)の価値

文化庁の解説は、『前十五番歌合』の伝本として、まず伝藤原公任筆の十五番歌合(彩牋)(尊経閣文庫蔵)を挙げている。ほかの伝本の多くが江戸時代の写本であるのに対し、十五番歌合は平安時代の古筆として残る点に価値がある。

同じ一連の断簡として、二番を書いた断簡(藤田美術館蔵)と六番を書いた断簡(瀬津巌蔵)が知られ、それぞれ国の指定を受けている。一巻から切り分けられた古筆が、別々の所蔵先に伝わっていることになる。

十五番歌合(彩牋)の見どころ

実物を前にしたら、まず料紙を見たい。名称の「彩牋」が示すように、この巻は装飾を施した紙に書かれている。

次に、左右に番えられた歌の並びを追いたい。8首だけが残る残欠であるため、どの番のどの歌人が残っているかを、展示の解説や図録と照らし合わせて確かめるとよい。

十五番歌合(彩牋)の見学方法

所有者の前田育徳会は、公式サイトで、収蔵品を展示する施設を持たず、収蔵品は石川県金沢市の成巽閣と石川県立美術館で年間を通して観覧できると案内している。ただし、どの作品がいつ展示されるかは両館への問い合わせが必要で、十五番歌合が常時公開されているわけではない。

前田育徳会の所在地は東京都目黒区駒場4-3-55で、尊経閣文庫の閲覧は一般には開かれていない。見学を望む場合は、石川県立美術館の展示予定や、各地の博物館の展覧会情報を確かめたい。

Q&A

Q十五番歌合(彩牋)はどこにありますか?
A東京都目黒区の公益財団法人前田育徳会(尊経閣文庫)が所有しています。
Q十五番歌合とはどんな作品ですか?
A古来の歌人30名の和歌を1首ずつ選び、左右に組んで15番の歌合に仕立てた秀歌撰で、藤原公任の撰とされます。
Q十五番歌合(彩牋)はいつ国宝に指定されましたか?
A昭和26年(1951年)6月9日に国宝に指定されました。
Q十五番歌合(彩牋)は何首残っていますか?
A文化庁の解説によると、8首だけが残る残欠です。
Q十五番歌合(彩牋)は見られますか?
A常時公開はされていません。前田育徳会の収蔵品は石川県立美術館などで展示されるため、展示予定を確認してください。

基本情報

名称十五番歌合(彩牋)(じゅうごばんうたあわせ)
所在地東京都目黒区駒場4-3-55(公益財団法人前田育徳会)
指定区分国宝(書跡・典籍)
指定年昭和26年(1951年)6月9日指定
員数1巻
寸法文化庁データベースに記載なし
所有者公益財団法人前田育徳会
公開状況常時公開なし。展覧会で公開されることがある

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「十五番歌合(彩牋)」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/567
文化庁 国指定文化財等データベース「前十五番歌合(彩牋)」(解説に本巻の記述あり)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/00010697
文化遺産オンライン「前十五番歌合(彩牋)」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/199126

最終更新日: 2026.09.27