農作業が営まれた場

旧内山家住宅にわ(作業場)は、内山家の農作業が実際に営まれた場である。農家において「にわ」は土間の働きの空間を指し、ここでは主屋北側の実用の建物群のうち、井戸や、かつての籾倉の近くに位置する。

いろり部屋などの農家らしい要素とともに、作業場は屋敷の生産的で日常的な性格を残す。のちに洗練を加えたとはいえ、内山邸は何よりもまず大きな農家であった。

地主屋敷の農家としての性格

内山家は神通川の氾濫原に田を拓いて富を築いた自営の大百姓で、富山藩の十村役を務めた。作業場は、その農業を基盤とする性格の直接の痕跡であり、邸内の座敷や茶室と対をなす。

平成十年(一九九八)、邸のほかの建物とともに国の登録有形文化財に登録された。一つの地主の家のうちに、働きと格式がいかに同居していたかを示す点に価値がある。

見どころ

主屋の北側へ回ると、屋敷の働きの中心に至る。作業場・井戸・籾倉の跡がここに集まり、優美な座敷が厳しい農作業に支えられていたことを思い起こさせる。

邸は平成十七〜二十三年度に修繕された。作業場を座敷とあわせて見ることは、千石の農家がもつ二重の暮らしを最もよく捉える手立てである。

よくある質問

Q農家の「にわ」とは何ですか。
A農家において「にわ」は、農作業を行う土間の働きの空間を指します。ここでは邸内の実用建物群の中の独立した作業場です。
Q作業場はどこにありますか。
A主屋の北側、働きの建物群の中にあり、井戸や、かつての籾倉の跡の近くに位置します。
Q作業場はいつ頃の建物ですか。
A慶応四年(一八六八)を中心とする幕末の造営に属すると伝わります。働きの建物のため、主屋ほど厳密には年代を特定しにくい面があります。
Qなぜ重要なのですか。
A屋敷の生産的で農家らしい性格を残し、座敷や茶室の富が手仕事の労働に支えられていたことを示すからです。

基本情報

名称旧内山家住宅にわ(作業場)(きゅううちやまけじゅうたく にわ(さぎょうば))
所在地富山県富山市宮尾903
指定区分登録有形文化財(国)
登録年月日平成10年(1998年)7月23日
員数1棟
建築年代慶応4年(1868年)を中心とする幕末期と伝わる
所有者富山県
公開状況富山県民会館分館「豪農の館 内山邸」として公開。見学料250円。開館9:30〜17:00、火曜・年末年始休館。

参考文献

最終更新日: 2026.07.04