井戸を覆う小さな上屋

旧内山家住宅井戸上屋は、邸内の井戸の上に建てられた小さな屋根がけの建物である。ささやかながら、家の水源、すなわち日々の暮らしと農作業の双方が頼る要を、雨や雪、落下物から守った。

主屋北側の働きの側、作業場や、かつての籾倉を含む実用の建物群の中に立つ。ここで汲まれた水は、炊事や洗い、そして大きな農家の労働を支えた。

暮らしを支える設え

内山家は宮尾の地に約四五〇年続き、富山藩の十村役を務めた。この規模の家は、井戸・蔵・作業場といった目立たぬ設えの上に成り立っており、井戸上屋はその日常の装置が残る稀な例である。

平成十年(一九九八)、邸内建物群の一つとして国の登録有形文化財に登録された。壮麗さよりも、藩政期の農家屋敷を欠けなく残す点にその価値がある。

見どころ

主屋北側で、井戸上屋は屋敷を回していた建物群の中に納まる。見過ごしやすいが、大きな家がその最も基本的な必要、すなわち手近な清水をいかに満たしたかを、じかに語りかける。

邸は平成十七〜二十三年度に修繕された。井戸・作業場・土蔵をあわせて見れば、座敷だけを見るより屋敷の全体像がよく掴める。

よくある質問

Q井戸上屋とは何ですか。
A井戸の上に建てた小さな屋根がけの建物で、雨や雪、落下物から水源を守るものです。ここでは内山邸の井戸を覆っています。
Q敷地のどこにありますか。
A主屋北側の働きの側、作業場やかつての籾倉といった実用の建物群の中にあります。
Q井戸上屋はいつ頃の建物ですか。
A慶応四年(一八六八)を中心とする幕末の造営に属すると伝わります。小規模な建物のため、主屋ほど厳密には年代を特定しにくい面があります。
Q見学範囲に含まれますか。
Aはい。公開された登録有形文化財の邸の一部です。見学料は二五〇円、九時三十分から十七時、火曜休館です。

基本情報

名称旧内山家住宅井戸上屋(きゅううちやまけじゅうたく いどうわや)
所在地富山県富山市宮尾903
指定区分登録有形文化財(国)
登録年月日平成10年(1998年)7月23日
員数1棟
建築年代慶応4年(1868年)を中心とする幕末期と伝わる
所有者富山県
公開状況富山県民会館分館「豪農の館 内山邸」として公開。見学料250円。開館9:30〜17:00、火曜・年末年始休館。

参考文献

富山県文化振興財団 — 豪農の館 内山邸(公式)
https://www.bunka-toyama.jp/uchiyama/index.php
富山県文化振興財団 — 内山邸 施設案内
https://www.bunka-toyama.jp/uchiyama/facilityguide/index.html
ウィキペディア — 豪農の館 内山邸
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%AA%E8%BE%B2%E3%81%AE%E9%A4%A8_%E5%86%85%E5%B1%B1%E9%82%B8
富山県 — 内山邸
https://www.pref.toyama.jp/1603/kurashi/sportsleisure/leisure/kj00011575/kj00011575-027-01.html

最終更新日: 2026.07.04