旧福元家住宅井戸及び給水塔とは

旧福元家住宅井戸及び給水塔は、山口県大島郡周防大島町西屋代に大正15年(1926年)頃に築かれた、屋敷内の水道のための井戸と煉瓦造の給水塔で、令和4年(2022年)2月17日に登録有形文化財に登録された。

場所は主屋の南東。花崗岩を組んだ井戸の上に、煉瓦を積んでモルタルで仕上げた塔が載る。平面はおよそ1m四方(面積0.9㎡)、高さは2.8mである。

島の屋敷に水道を引いた装置

旧福元家住宅井戸及び給水塔は、アメリカで暮らした福元長右衛門が、帰郷後の家に蛇口のある生活を持ち込むために設けたものである。山口県の解説は、水源の井戸から屋敷内の各水栓まで水を配るための施設と説明している。

送り先は主屋の風呂と台所だった。主屋の板敷の台所にはアメリカ製のオーブンや流しが据えられており、そこへ水を届けていたのがこの塔になる。井戸から桶で汲み上げて運ぶ手間を、配管が肩代わりした。

塔には、井戸水を貯めたタンクの水量計や、給水のパイプなどの痕跡が残る。設備が動いていたころの姿を伝える手がかりは、いまはこの痕跡に託されている。

登録の理由

旧福元家住宅井戸及び給水塔の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。山口県は、公共の水道が整備される前の生活文化をうかがい知ることができる施設として評価している。

下が花崗岩の石組、上が煉瓦とモルタル。異なる材料が上下に重なった姿は、在来の形式の井戸に、屋内へ水を送る新しい設備を組み合わせたことを外から見て分かる形で示している。主屋の台所や風呂だけを見ても、水がどこから来ていたかは分からない。旧福元家住宅井戸及び給水塔は、その答えにあたる部分である。

見学方法

旧福元家住宅井戸及び給水塔は、主屋の南東側、屋外に立っている。主屋の見学の前後に南側から回り込むと近づきやすい。塔の表面に目を凝らして、水量計やパイプの痕跡を探したい。

塔の内部に入ることはできず、外から眺める文化財である。館内は撮影禁止とされているが、給水塔は屋外にある。屋外の撮影の扱いは現地の案内や受付の指示に従うこと。

Q&A

Q旧福元家住宅井戸及び給水塔は何のための施設ですか?
A屋敷の中に水道を通すための施設です。井戸の水をタンクに貯め、主屋の風呂や台所の水栓へ送っていました。
Q旧福元家住宅井戸及び給水塔の大きさはどのくらいですか?
A高さ2.8m、平面はおよそ1m四方(面積0.9㎡)です。花崗岩の石組の井戸の上に、煉瓦造モルタル仕上げの塔が載っています。
Q旧福元家住宅井戸及び給水塔はどこにありますか?
A日本ハワイ移民資料館として使われている主屋の南東側、屋外にあります。
Q旧福元家住宅井戸及び給水塔で見ておきたい部分はどこですか?
A塔に残るタンクの水量計や給水パイプの痕跡です。下部の花崗岩の石組と、上部の煉瓦の切り替わりにも注目してください。
Q旧福元家住宅井戸及び給水塔はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」です。公共水道が整う前の島で、自前の水道を備えた暮らしを伝える施設として評価されています。

基本情報

名称旧福元家住宅井戸及び給水塔
所在地山口県大島郡周防大島町大字西屋代字下里2144
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和4年(2022年)2月17日登録
員数1基
寸法煉瓦造、高さ2.8m、面積0.9㎡
所有者周防大島町
公開状況屋外にあり外観を見学可(内部は非公開)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)旧福元家住宅井戸及び給水塔
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014209
山口県の文化財 旧福元家住宅井戸及び給水塔
https://bunkazai.pref.yamaguchi.lg.jp/sp/bunkazai/summary.asp?mid=110227
山口県の文化財 旧福元家住宅主屋
https://bunkazai.pref.yamaguchi.lg.jp/sp/bunkazai/summary.asp?mid=110224
日本ハワイ移民資料館 よくある質問
https://suooshima-hawaii-imin.com/ja/faq/

最終更新日: 2026.09.24