旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀とは
旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀は、山口県大島郡周防大島町西屋代の屋敷の外まわりに大正15年(1926年)頃に築かれた石造と煉瓦造の塀で、令和4年(2022年)2月17日に登録有形文化財に登録された。
延長は45mで、門柱を備える。屋敷の表側にあたる、かつての接続道の側を石塀とし、裏手を煉瓦塀とする。材料を表と裏で使い分けた塀が一続きで残っており、その両方がまとめて1件として登録されている。
表の石塀と裏の鉱滓煉瓦塀
石塀は、江戸切りの石をはめ込み、上に笠石を載せる。江戸切りは石の縁を細く平らに削り出して輪郭を立てる仕上げで、目地の線がくっきりと通る。山口県の解説は、この石を切り出した御影石としている。
裏手の煉瓦塀に使われているのは鉱滓煉瓦である。鉱滓は製鉄の際に出るスラグのことで、それを固めて成形した煉瓦を積んでいる。文化庁の解説では、壁体は長手積、笠の部分は小口積とし、その上にモルタルを盛る。
塀の範囲の書き方は資料によって異なる。文化庁は屋敷の北の外郭を廻る塀とし、石塀を旧接続道の側、煉瓦塀を北西の裏側とする。山口県は、敷地の東側から北側、西側にかけて建ち、北側と東側が石塀、西側が煉瓦塀と説明する。煉瓦の積み方も、県の解説では小口積みとなっており、文化庁の長手積と一致しない。本記事は文化庁の記載に従った。
門柱の意匠と登録の理由
旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀の門柱は角柱で、柱頭の下を頸切りにしてくびれをつくり、面に木瓜形を彫り込んでいる。塀全体の中で装飾に手をかけたのはこの門柱で、屋敷への入口であることを形で示している。
登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。屋敷の外まわりを囲む塀は、中に入らなくても道から目に入る。石と煉瓦という二つの材料で表と裏を仕分けた塀が、アメリカ帰りの貿易商の屋敷の輪郭を集落の中に描いている。
見学方法
旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀は屋敷の外まわりにあるため、主に敷地の外側から眺めることになる。石塀と門柱は表側で、敷地の北辺には石段がある。煉瓦塀を見るには裏手へ回る必要があり、文化庁のデータベースも西側から写した鉱滓煉瓦塀の写真を載せている。
見比べたいのは、石塀の江戸切りの目地と、煉瓦塀の積み方、それぞれの笠の仕上げである。外から見るときは道路の通行の妨げにならないよう気をつけたい。館内の見学条件は主屋と同じで、館内は撮影禁止である。
Q&A
- 旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀はどこから見られますか?
- 屋敷の外まわりにある塀なので、敷地の外側から見られます。表側に石塀と門柱、裏手に鉱滓煉瓦の塀があります。
- 旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀の長さはどのくらいですか?
- 石塀と煉瓦塀をあわせた延長は45mで、門柱が付きます。
- 旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀の「鉱滓煉瓦」とは何ですか?
- 製鉄の際に出るスラグ(鉱滓)を固めて成形した煉瓦です。旧福元家住宅では、屋敷の裏手の塀にこの煉瓦が使われています。
- 旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀の門柱にはどんな装飾がありますか?
- 角柱の柱頭の下を頸切りにしてくびれをつけ、木瓜形を彫り込んでいます。
- 旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀はなぜ登録有形文化財になったのですか?
- 登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」です。屋敷の外まわりを石と煉瓦で仕分けて囲む塀が、集落の景観の一部になっている点が評価されています。
基本情報
| 名称 | 旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀 |
|---|---|
| 所在地 | 山口県大島郡周防大島町大字西屋代字下里2144 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 令和4年(2022年)2月17日登録 |
| 員数 | 1基 |
| 寸法 | 石造及び煉瓦造、延長45m、門柱付 |
| 所有者 | 周防大島町 |
| 公開状況 | 屋敷の外まわりにあり、外側から見学可 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014208
- 山口県の文化財 旧福元家住宅石塀及び煉瓦塀
- https://bunkazai.pref.yamaguchi.lg.jp/sp/bunkazai/summary.asp?mid=110226
- 日本ハワイ移民資料館 よくある質問
- https://suooshima-hawaii-imin.com/ja/faq/
最終更新日: 2026.09.24