まず迎える門

雲峰寺の本堂が視界に入るより先に、石段の参道は一つの門へと導く。山梨県甲州市塩山上萩原、大菩薩峠へ向かう道沿いの杉と檜の間に立つ仁王門は、参拝者が最初にくぐる建物である。三間一戸の八脚門で、名は中央の通路を挟んで前後に立つ八本の控柱に由来する。屋根は入母屋造、現在は銅板で葺かれている。

門の名は、開口部の左右に据えられた二体の仁王、すなわち金剛力士に由来する。一体は口を開き、一体は口を結び、阿吽の初めと終わりを示す。その間を歩き抜けることに意味がある。山道を離れ、寺域へと入るのである。

古い霊地に建つ室町の門

雲峰寺は天平17年(745年)、行基が裂石から生えた木で十一面観音を刻み開いたと伝わる縁起を持ち、裂石山の山号もこれに由来する。中世末までには臨済宗の寺となり、南西に本拠を置いた武田家の祈願所となっていた。

仁王門は室町後期の建立で、16世紀半ばの火災後に本堂を建てた造営と同じ時期にあたる。国の文化財データベースは年代を1467〜1572年の幅で記す。本堂とともに昭和24年(1949年)2月18日に重要文化財へ指定された。二棟は装飾を抑えた共通の語法を持ち、境内が一つの時代の仕事であることを示している。

見どころ

門の下で立ち止まり、頭上の軸組を見上げてほしい。八脚門では屋根の荷重が中央間の前後に立つ控柱を通じて地へ落ち、通路は開け、構造が上部にそのまま読める。銅板葺の屋根はやわらかな緑青をまとい、古い軸部の木材を後補の被覆が守っている。

参道の並びのなかで門が占める位置にも注目したい。参道は198段の石段を登り、仁王門は森が開けて寺が始まる地点にあたる。その上には本堂、庭を隔てた書院、右手の庫裏が控える。宝物殿の拝観を予約しているなら、これは武田家の軍旗へ向かう途上でくぐる境でもある。中には高さのある孫子の旗があり、風林火山の四句で知られる。

Q&A

Q八脚門とは何ですか。
A中央の通路の周囲に立つ八本の控柱で屋根を支える門形式です。仁王門は三間一戸のこの形式にあたります。
Q仁王とは何を指しますか。
A寺門を守る二体の金剛力士です。一体は口を開き、一体は口を閉じ、阿吽として物事の初めと終わりを表します。
Q門はいつ頃の建築ですか。
A室町後期です。国のデータベースは1467〜1572年の幅で記し、本堂と同時期にあたります。指定は昭和24年(1949年)です。
Qここから本堂までどのくらいですか。
A門は198段の石段の参道の途中に立ちます。さらに登ると、石段を登りきった正面に本堂が現れます。
Q交通アクセスを教えてください。
AJR中央本線塩山駅から大菩薩登山口行きバスに乗り、終点で下車して徒歩約5分です。無料駐車場があります。

基本情報

名称雲峰寺仁王門(うんぽうじにおうもん)
所在地山梨県甲州市塩山上萩原
所有者雲峰寺
指定区分重要文化財(昭和24年〈1949年〉2月18日指定)
員数1棟
時代室町後期(1467〜1572年)
構造及び形式三間一戸八脚門、入母屋造、銅板葺
アクセスJR中央本線塩山駅から大菩薩登山口行きバス、終点下車徒歩約5分

参考文献

文化庁 — 国指定文化財等データベース 雲峰寺仁王門
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/857
甲州市観光協会 — 雲峰寺
https://www.koshu-kankou.jp/map/m4940.html
富士の国やまなし観光ネット — 風林火山史跡巡り
https://www.yamanashi-kankou.jp/history/shingen/forest.html
雲峰寺 — ウィキペディア日本語版
https://ja.wikipedia.org/wiki/雲峰寺

最終更新日: 2026.07.11