はじめから貯蔵のために建てた蔵

両関酒造4号蔵は、秋田県湯沢市前森の両関酒造にある大正5年(1916年)建築の土蔵造2階建の酒蔵で、平成8年(1996年)12月20日に国の登録有形文化財に登録された。登録番号は05-0005。

建築面積は297平方メートルで、屋根・壁とも漆喰で仕上げる。湯沢市によれば、両関酒造の蔵4棟は明治25年(1892年)から大正5年にかけて建てられており、4号蔵はその最後の1棟にあたる。

貯蔵蔵として設計され、使われてきた

文化庁は、両関酒造4号蔵を建設当初から貯蔵蔵として設計し、そのとおりに使ってきた蔵と説明している。仕込みのための蔵を後から転用したのではなく、酒を貯えておく蔵として計画された建物である。

湯沢市は現在、両関酒造の4棟の蔵をすべて貯蔵庫として使っていると説明している。4号蔵は、計画したときの用途と今の使い方が一致している蔵である。

広い梁間と、少し違う部材の加工

造りは他の蔵と同じく土蔵造で、小屋組は和小屋である。そのうえで文化庁は、両関酒造4号蔵は梁間が広く、部材の加工の形式がいくらか異なると記している。

梁間の数値は公表されている資料に示されていない。1号蔵は7.85メートル、2号蔵は7.86メートルなので、4号蔵はそれより幅の広い蔵ということになる。建築面積で比べると、4号蔵の297平方メートルは2号蔵の416平方メートルに次ぎ、1号蔵の178平方メートルや3号蔵の224平方メートルを上回る。

貯蔵のための蔵は、限られた床にどれだけ容器を並べられるかが問われる。梁間を広げたことと貯蔵蔵という用途を結びつけた資料はないが、見比べるときの視点にはなる。

大正5年の完成から80年後、平成8年の第1回登録で4号蔵は05-0005の番号を受け、両関酒造の5棟の登録番号の最後を占めた。

両関酒造4号蔵で見ておきたいところ

中に入る機会があれば、梁の長さと、梁や桁の仕口の刻み方に目を向けたい。文化庁が「加工形式が若干異なる」と書いた違いは、1号蔵や2号蔵の部材と並べて確かめたい。

明治25年の1号蔵から24年、同じ棟梁のもとで続いた蔵の普請の最後に、先行する蔵のどこを変えたのか。両関酒造4号蔵は、それを部材で確かめられる蔵である。

両関酒造4号蔵の見学方法

両関酒造4号蔵はいまも酒を貯えている蔵なので、ふだんは扉が閉じている。内部に入れるのは蔵元の蔵見学のときに限られ、その見学も2026年9月28日の時点で止まっている。

蔵元が案内から外すと明言しているのは仕込蔵で、貯蔵蔵については触れていない。4号蔵を見たい場合は、予約の段階でその旨を伝えておくのが確実である。撮影に関する案内は出ていない。蔵見学の受付条件とアクセスは両関酒造のページで確認できる。

Q&A

Q両関酒造4号蔵はいつ建てられましたか?
A大正5年(1916年)の建築です。両関酒造の蔵4棟のなかで最後に建てられました。
Q両関酒造4号蔵は何に使われている蔵ですか?
A建設当初から貯蔵蔵として設計され、そのとおりに使われてきた蔵です。湯沢市は現在、両関酒造の蔵4棟をすべて貯蔵庫として使っていると説明しています。
Q両関酒造4号蔵はほかの蔵と何が違いますか?
A同じ土蔵造・和小屋ですが、梁間が広く、部材の加工の形式が少し異なると文化庁は記しています。
Q両関酒造4号蔵の大きさはどのくらいですか?
A建築面積は297平方メートルで、両関酒造の蔵のなかでは2号蔵に次ぐ広さです。桁行と梁間の数値は公表資料に示されていません。
Q両関酒造4号蔵の中は見学できますか?
A内部は公開されていません。蔵元の蔵見学は2026年9月28日の時点で休止しています。

基本データ

名称両関酒造4号蔵(りょうぜきしゅぞうよんごうぐら)
所在地秋田県湯沢市前森4-3-18
指定区分登録有形文化財(建造物)登録番号05-0005
指定年平成8年(1996年)12月20日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、屋根漆喰塗、建築面積297平方メートル
所有者両関酒造株式会社
公開状況内部非公開(蔵元の蔵見学は休止中)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):両関酒造4号蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000015
文化遺産オンライン:両関酒造4号蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/146625
湯沢市:両関酒造本館ほか4棟
https://www.city-yuzawa.jp/site/bunkazai/2212.html
両関酒造株式会社 公式サイト
https://www.ryozeki.co.jp/

最終更新日: 2026.09.27