佐々木家住宅養老閣とは

佐々木家住宅養老閣(ささきけじゅうたくようろうかく)は、秋田県由利本荘市前郷にある大正10年(1921年)完成の木造3階建の別邸で、平成14年(2002年)2月14日に登録有形文化財となった。建築面積は92平方メートル、屋根は鉄板葺で一部を瓦で葺く。

主屋と廊下で結ばれた別棟で、佐々木家ではこの建物を養老閣と呼んできた。由利本荘市によると着工は大正6年(1917年)頃で、仕上がるまでに5年の歳月をかけている。

望楼を載せた3階建

佐々木家住宅養老閣の姿を決めているのは屋根の重なりである。南北に棟を通した寄棟造の2階建の上に、同じく南北棟・寄棟造の望楼風の3階を載せる。3階の大棟の両端には鯱が飾られる。

文化庁はこの外観を地域のシンボル的な存在と書き、登録番号05-0076、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。由利本荘市は、県内に現存する唯一の木造3階建の別邸建築だとしている。

市のパンフレットの平面図では、1階と2階がそれぞれ上座敷と下座敷の2室続きで、どちらにも床の間が付く。3階は床の間付きの1室で、ここが望楼風の階にあたる。

座敷を飾る彫物と擦硝子

文化庁の解説は、内部にも透漆を多く使い、洋風の細部も備えた凝ったつくりとしている。木目を透かして見せる漆で、市のパンフレットの写真でも、階段の板が赤みを帯びた艶を見せている。

由利本荘市の案内が挙げる意匠は具体的である。玄関ポーチの妻には「鶴に雲紋」、縁と廊下の天井は竿縁天井。上座敷と下座敷の境は組子を筬のように細かく並べた形式で、「月に雁」の彫物を添える。

各座敷の側の廻り戸には、中央に「前郷八景」などを題材にした特注の擦硝子がはめ込まれている。前郷の景色を題材にした、この家のための硝子である。

パンフレットの写真によると、階段室は箱階段の形式で、3階の天井板には欅の無垢材が使われている。3階の縁には菱形の意匠を組み込んだ高欄がめぐる。

佐々木家住宅養老閣の見学

佐々木家住宅養老閣は個人の住宅の一部で、内部は公開されていない。座敷の擦硝子や欅の天井板は、市のパンフレットの写真で見るほかない。

外からは3階の望楼と鯱が見分けやすく、屋敷の4棟のなかでは最も目に入る。敷地には入らず、道路から眺め、撮影もそこからにとどめたい。屋敷への行き方は佐々木家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q佐々木家住宅養老閣はいつ建てられましたか?
A大正6年(1917年)頃に着工し、5年をかけて大正10年(1921年)に完成しました。
Q佐々木家住宅養老閣は何階建てですか?
A木造3階建です。寄棟造の2階建の上に望楼風の3階を載せ、3階の大棟の両端に鯱を飾っています。
Q佐々木家住宅養老閣はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A平成14年(2002年)2月14日に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録されました。文化庁は地域のシンボル的な存在としています。
Q佐々木家住宅養老閣の内部にはどのような意匠がありますか?
A「月に雁」の彫物、「前郷八景」などを題材にした特注の擦硝子、竿縁天井、箱階段、欅の無垢材の天井板などがあります。
Q佐々木家住宅養老閣の中を見学できますか?
A個人の住宅の一部で、内部は公開されていません。外観は道路から見ることができます。

基本情報

名称佐々木家住宅養老閣(ささきけじゅうたくようろうかく)
所在地秋田県由利本荘市前郷字前郷207
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号05-0076
指定年平成14年(2002年)2月14日登録
員数1棟
寸法木造3階建、鉄板一部瓦葺、建築面積92平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(外観のみ道路から)

参考文献

国指定文化財等データベース 佐々木家住宅養老閣(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002588
文化遺産オンライン 佐々木家住宅養老閣
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/138358
佐々木家住宅(ささきけじゅうたく)(由利本荘市)
https://www.city.yurihonjo.lg.jp/1001503/1002098/1002113/1002126/1003555.html
国登録有形文化財 佐々木邸 パンフレット(由利本荘市、PDF)
https://www.city.yurihonjo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/555/1003555_001.pdf

最終更新日: 2026.09.27