鈴木家住宅井戸とは ― 一枚石を刳り貫いた井戸枠
鈴木家住宅井戸は、千葉県富津市金谷にある昭和前期の石造の井戸で、平成22年(2010年)に登録有形文化財(建造物)となった。面積は1.5平方メートル、深さは8.2メートルをはかる。
敷地の北寄り、石蔵の北側にある。井戸枠から下まで房州石を多く使い、文化庁の解説は、石の産地としての金谷の歴史を伝えるものと位置づけている。
登録の理由と価値
鈴木家住宅井戸は、登録基準のうち「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。
価値の中心は井戸枠にある。方1.2メートル、厚さ0.61メートルの一枚石を、直径0.87メートルの円形に刳り貫いてつくっている。石を積んで枠を組むのではなく、大きな石塊から丸く抜き取る方法で、四隅には面取りを施す。これだけの石を一枚で切り出し、丸く抜くには、石を扱い慣れた職人の手が要る。石材業の家の井戸らしい仕事である。
見どころ ― 石を積み、岩盤を掘る井戸の構造
井戸は三層の構造になっている。地上に据えた一枚石の井戸枠の下に、細長い延石を円形に積み上げた石組みが続き、そのさらに下は岩盤を直接掘り下げている。全体の深さは8.2メートルに達する。
上から、刳り貫いた石、積んだ石、掘った岩と、石の扱い方が深さによって変わっていく。一つの井戸のなかに、石を使うさまざまな方法が重ねられている。
見学方法 ― 公開の案内なし
鈴木家住宅井戸は、鋸山美術館の別館として公開されている石蔵のすぐ北にある。ただし美術館が公開を案内しているのは石蔵だけで、井戸を見られるかどうかは示されていない。資料館を訪れた際に、井戸のある場所へ近づけるかどうかは受付で確かめてほしい。道路からは見えない。
Q&A
- 富津の鈴木家住宅井戸は見学できますか?
- 鋸山美術館の別館として公開されている石蔵のすぐ北にありますが、井戸の公開は案内されていません。資料館を訪れた際に受付で確認してください。
- 鈴木家住宅井戸の深さはどのくらいですか?
- 深さは8.2メートルです。
- 鈴木家住宅井戸の井戸枠はどのように作られていますか?
- 方1.2メートル、厚さ0.61メートルの一枚石を、直径0.87メートルの円形に刳り貫いて作られています。四隅は面取りされています。
- 鈴木家住宅井戸はいつ作られましたか?
- 昭和前期の石造の井戸です。平成22年(2010年)に登録有形文化財に登録されました。
- 鈴木家住宅井戸の井戸枠の下はどうなっていますか?
- 延石を円形に積み上げた石組みが続き、その下は岩盤を掘り下げています。
基本情報
| 名称 | 鈴木家住宅井戸(すずきけじゅうたくいど) |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県富津市金谷字上原2288-1他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成22年(2010年)1月15日登録 |
| 員数 | 1基 |
| 寸法 | 石造、面積1.5平方メートル |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 公開の案内なし |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「鈴木家住宅井戸」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007975
- 千葉県教育委員会「鈴木家住宅主屋ほか」(富津市)
- https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/q111-076.html
最終更新日: 2026.09.25