鈴木家住宅主屋とは ― 房州石の基礎に載る昭和28年の住まい

鈴木家住宅主屋は、千葉県富津市金谷にある昭和28年(1953年)建築の木造平屋建の住宅で、平成22年(2010年)に登録有形文化財(建造物)となった。東西17メートル、南北11メートル、建築面積147平方メートル。昭和60年(1985年)に改修を受けている。

旧金谷村の本道に面した敷地の中央に、南を向いて建つ。鋸山の房州石を扱った石材業者・鈴木家の住まいで、同じ屋敷の石蔵・稲荷社・井戸・石垣とともに登録された。

登録の理由と価値

鈴木家住宅主屋は、登録基準のうち「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。旧本道に面した屋敷の中心として、石垣とともに金谷の町並みをかたちづくる建物である。

木造の住まいでありながら、基礎や風呂場には地元産の房州石を使っている。石材業の家が自分の住まいに扱い品の石を用いた例で、この屋敷のどの建物にも房州石が関わるという性格を、主屋も共有している。

見どころ ― 落棟を組み合わせた屋根と洋間の鏝細工

屋根は複雑である。寄棟造の主棟に、一段低い落棟を取り付け、全体を桟瓦葺とする。さらに周囲に下屋をまわしているため、屋根面がいくつも重なって見える。昭和28年(1953年)の和風住宅らしい、手間をかけた屋根の構成である。

室内の見どころとして文化庁の解説が挙げるのが、洋間の天井に施された鏝細工のアカンサスである。アカンサスは西洋の古典建築で柱頭や天井飾りに使われてきた葉の文様で、それを左官が鏝で漆喰に彫り出している。和風の主屋に洋間を設け、その天井を左官の手仕事で飾った細部に、この住まいの見応えがある。

見学方法 ― 公開の案内なし

鈴木家住宅主屋は鋸山美術館の施設の一部だが、美術館が公開を案内しているのは別館の石蔵(鋸山資料館)だけで、主屋の内部を見学できるかどうかは示されていない。洋間の鏝細工を見たい場合は、事前に美術館へ問い合わせるのが確実である。

主屋は旧本道に南面しており、道沿いの石垣越しに屋根の重なりを眺めることができる。敷地へは美術館の案内に従って入り、案内のない場所には立ち入らないでほしい。

Q&A

Q富津の鈴木家住宅主屋は見学できますか?
A鋸山美術館の施設ですが、公開が案内されているのは別館の石蔵だけで、主屋内部の見学の可否は示されていません。見学を希望する場合は美術館に問い合わせてください。
Q鈴木家住宅主屋はいつ建てられましたか?
A昭和28年(1953年)の建築で、昭和60年(1985年)に改修されています。
Q鈴木家住宅主屋の屋根の特徴は何ですか?
A寄棟造の主棟に一段低い落棟を付け、周囲に下屋をまわした複雑な桟瓦葺の屋根です。
Q鈴木家住宅主屋に房州石は使われていますか?
Aはい。木造の住まいですが、基礎や風呂場に地元産の房州石が使われています。
Q鈴木家住宅主屋の室内の見どころは何ですか?
A洋間の天井に施された鏝細工のアカンサス(葉の文様)が、文化庁の解説で見応えのある細部として挙げられています。

基本情報

名称鈴木家住宅主屋(すずきけじゅうたくしゅおく)
所在地千葉県富津市金谷字上原2288-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成22年(2010年)1月15日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積147平方メートル
所有者個人
公開状況内部公開の案内なし

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「鈴木家住宅主屋」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007972
千葉県教育委員会「鈴木家住宅主屋ほか」(富津市)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/q111-076.html
鋸山美術館「別館・鋸山資料館」
https://nokogiriyama.com/pages/annex.html

最終更新日: 2026.09.25