鈴木家住宅稲荷社とは ― 庭池のほとりの石の社

鈴木家住宅稲荷社は、千葉県富津市金谷にある昭和28年(1953年)建立の石造の稲荷社で、平成22年(2010年)に登録有形文化財(建造物)となった。面積は0.7平方メートル。屋敷神として敷地内にまつられた小さな社で、昭和50年(1975年)に改修を受けている。

主屋の北東、庭池のほとりに西を向いて建つ。石積の基壇の上にさらに基礎石を置き、その上に間口0.22メートル、高さ0.59メートルの社殿を載せる。

登録の理由と価値

鈴木家住宅稲荷社は、登録基準のうち「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。高さ0.59メートルという小ささながら、文化庁の解説はその技術の高さを評価している。

社殿は切妻造で、正面に千鳥破風を付けた一間社の形をとる。柱、長押、垂木、妻飾り、扉といった木造の社殿の部材を、すべて石から削り出して表している。石材業の家が、自家の屋敷神のために石工の技を注いだ作品といえる。

見どころ ― 石で写した木造社殿の細部

近くで見れば、軒下に並ぶ垂木の一本一本や、柱の間を横に渡る長押の段差まで、石の表面に刻み分けられているのがわかる。木の社殿なら大工が組み上げる部材を、石工が一つの石塊から彫り出している。

正面の千鳥破風は、切妻屋根の斜面に小さな三角の破風を載せたもので、本来は大きな社殿に用いられる意匠である。それを掌に載りそうな大きさで再現しているところに、鈴木家住宅稲荷社の見どころがある。

見学方法 ― 公開の案内なし

鈴木家住宅稲荷社は鋸山美術館の施設となっている屋敷の庭にあるが、美術館が公開を案内しているのは別館の石蔵だけで、庭や稲荷社を見られるかどうかは示されていない。主屋の北東の庭池のほとりという奥まった位置にあるため、道路からは見えない。見学を希望する場合は、美術館に問い合わせてほしい。

Q&A

Q富津の鈴木家住宅稲荷社は見学できますか?
A屋敷は鋸山美術館の施設ですが、公開が案内されているのは別館の石蔵だけで、稲荷社を見られるかどうかは示されていません。美術館に問い合わせてください。
Q鈴木家住宅稲荷社の大きさはどのくらいですか?
A社殿は間口0.22メートル、高さ0.59メートルで、面積は0.7平方メートルです。
Q鈴木家住宅稲荷社はいつ建てられましたか?
A昭和28年(1953年)の建立で、昭和50年(1975年)に改修されています。
Q鈴木家住宅稲荷社は何でできていますか?
A石造です。柱や長押、垂木、妻飾り、扉などの部材も石から削り出されています。
Q鈴木家住宅稲荷社はどこにありますか?
A主屋の北東、庭池のほとりに西を向いて建っています。

基本情報

名称鈴木家住宅稲荷社(すずきけじゅうたくいなりしゃ)
所在地千葉県富津市金谷字上原2288-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成22年(2010年)1月15日登録
員数1棟
寸法石造、面積0.7平方メートル
所有者個人
公開状況公開の案内なし

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「鈴木家住宅稲荷社」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007974
千葉県教育委員会「鈴木家住宅主屋ほか」(富津市)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/q111-076.html

最終更新日: 2026.09.25