オキチモズク発生地とは:淡水の紅藻が日本で初めて見つかった泉

オキチモズク発生地(おきちもずくはっせいち)は、愛媛県東温市吉久にある、淡水にすむ紅藻オキチモズクの発生地で、昭和19年(1944年)6月26日に国の天然記念物に指定された。

文化庁の記録では、指定基準は池泉・河川などの珍奇な水草類・藻類などの生じる地域にあたる。文化庁のデータベースの写真には「お吉泉」の名が添えられている。東温市の文化財データベースは管理者を東温市としている。

指定時の説明によると、オキチモズクは淡水産の珍しい紅藻類の一種で、この発生地は日本で最初に発見された場所であり、かつオキチモズクの分布の北限にあたる。

オキチモズクという藻

東温市教育委員会によると、オキチモズクは吉久のお吉泉から流れ出る小川に自生する、ベニモズク科に属する淡水産の紅藻の珍しい種類である。紫紅色の柔らかな円柱状の体が多く枝分かれし、長さは5から30センチメートル、長いものは40センチメートルになる。

毎年晩秋のころに芽を出し、翌年3月ころに胞子を生じて消えるという。かつては泉の下流約400メートルにわたって、流れの中の小石に付着していた。

名前の由来:お吉泉の伝説

東温市教育委員会によると、この泉には伝説がある。昔この地の大西弥衛門の妻お吉は、気立てのよい働き者だったが、姑との折り合いが悪く、身重のままこの泉に身を投げた。それからこの泉をお吉泉と呼ぶようになったという。

オキチモズクを発見した八木繁一は、お吉の名を取って、泉の流れに繁殖していた淡水産紅藻を「オキチモズク」と名付けた。オキチモズク発生地は、地域の伝説が生物の和名になった例でもある。

オキチモズク発生地の現状と見学方法

東温市教育委員会によると、オキチモズクは現在では絶滅に近い状態になっている。理由ははっきりしないが、湧き水の減少など環境の変化と関係があるかもしれないとし、再び発生することを期待して日覆いを置くなどの取り組みが続けられている。

オキチモズク発生地は東温市吉久のお吉泉とその下流の小川で、屋外から見ることができる。天然記念物のため、泉や水路の中に入ったり、藻や石を持ち出したりしてはならない。問い合わせは東温市教育委員会(東温市立歴史民俗資料館、089-964-0701)。

Q&A

Qオキチモズク発生地はいつ天然記念物に指定されましたか?
A昭和19年(1944年)6月26日に指定されました。
Qオキチモズクとは何ですか?
A淡水にすむ紅藻の珍しい種類です。紫紅色の円柱状の体が枝分かれし、長さは5から30センチメートルほどになります。
Qオキチモズクの名前の由来は?
A発見者の八木繁一が、この泉の伝説に登場するお吉の名から名付けました。
Q今もオキチモズクは見られますか?
A東温市によると、現在は絶滅に近い状態で、再び発生することを期待した取り組みが続けられています。
Qオキチモズク発生地はどこにありますか?
A愛媛県東温市吉久のお吉泉と、そこから流れ出る小川です。

基本情報

名称オキチモズク発生地(おきちもずくはっせいち)
所在地愛媛県東温市吉久
指定区分天然記念物
指定年昭和19年(1944年)6月26日指定
員数文化庁データベースに記載なし
寸法文化庁データベースに記載なし
所有者管理者:東温市(東温市文化財データベース)
公開状況屋外から見学可

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「オキチモズク発生地」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/401/2550
文化遺産オンライン「オキチモズク発生地」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/139434
東温市文化財・収蔵資料データベース「オキチモズク発生地」
https://rekimin-arc.city.toon.ehime.jp/detail_bunka.php?id=1000122

最終更新日: 2026.09.27