宗像神社辺津宮本殿とは
宗像神社辺津宮本殿は、福岡県宗像市田島の宗像大社辺津宮に建つ天正6年(1578年)の本殿で、明治40年(1907年)に国の重要文化財に指定された。
辺津宮の主祭神である市杵島姫神をまつる社殿で、拝殿の奥、境内のいちばん深い位置に建つ(宗像大社、観光庁)。文化庁の記録では、形式は正面の柱間が五つの五間社流造、屋根は薄い木の板を重ねて葺く柿葺である。

福岡県によれば、宗像神社辺津宮本殿は火災で失われたあと、当時の大宮司宗像氏貞が天正6年(1578年)に再建した。氏貞は天正14年(1586年)に没しており、この本殿は、大宮司が社と地域をともに治めた宗像の中世の最後に建てられた建物ということになる。
指定の理由と価値
宗像神社辺津宮本殿は、明治40年(1907年)5月27日に重要文化財に指定された(文化庁)。指定名が「宗像大社」でなく「宗像神社」となっているのは、当時の社名による。
附として棟札9枚が併せて指定されている。本殿1棟に対して9枚という数は、再建ののちも修理や葺き替えのたびに記録が積み重ねられてきたことをうかがわせる。棟札の個々の年記は文化庁のデータベースには示されていない。
戦国時代の末に在地の大宮司が建てた本殿が、ほぼ450年を経て同じ場所に立ち続けている点に、この建物の重みがある。4年遅れて建てられた拝殿(天正18年・1590年)とともに、桃山時代の宗像の社殿の姿を伝える。
見どころ
流造は、切妻造の屋根の正面側の流れを長く延ばして参拝者の側に庇をかける形式である。宗像神社辺津宮本殿では、その正面の柱間が五つに分かれ、横に広い構えになる。一間社や三間社の小ぶりな流造を見慣れていると、正面の幅がまず目に入る。
観光庁の解説文は、本殿の曲線を描く屋根と、彫刻を施した朱塗りの庇に触れ、同じ三女神をまつる広島県の厳島神社に似た趣があると述べる。正面の庇まわりの彫刻は、拝殿越しに見るより、斜めから軒の出を追うほうが分かりやすい。
屋根の材について、文化庁の記録は柿葺とするが、観光庁や福岡県の英文解説は檜の樹皮を葺いた檜皮葺の屋根と説明している。現地で軒先の厚みと葺き足を見比べてみるのも一つの楽しみ方だろう。
見学方法
宗像神社辺津宮本殿の内部は一般には公開されておらず、参拝は手前の拝殿の前から行う。本殿の内部公開や撮影について、宗像大社の公式な案内は見当たらない。
本殿の姿をもっともよく見られるのは、本殿の右手から高宮祭場へ向かう道の入り口あたりで、拝殿の陰にならない本殿の側面と屋根の流れが見やすい(順路は観光庁の解説文による)。本殿の左手には神宝館が建ち、こちら側からも屋根の線を追える。
Q&A
- 宗像神社辺津宮本殿はいつ建てられましたか?
- 天正6年(1578年)です。火災で失われたあと、当時の大宮司宗像氏貞が再建しました(文化庁、福岡県)。
- 宗像神社辺津宮本殿はどのような建築ですか?
- 正面の柱間が五つある五間社流造で、屋根は柿葺です(文化庁)。
- 宗像神社辺津宮本殿はいつ重要文化財に指定されましたか?
- 明治40年(1907年)5月27日です。附として棟札9枚も指定されています(文化庁)。
- 宗像神社辺津宮本殿の中に入れますか?
- 内部は一般公開されておらず、参拝は拝殿の前から行います。
- 宗像神社辺津宮本殿にはどの神がまつられていますか?
- 宗像三女神のうち、辺津宮の祭神である市杵島姫神です(宗像大社)。
基本情報
| 名称 | 宗像神社辺津宮本殿 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県宗像市田島(宗像大社辺津宮) |
| 指定区分 | 重要文化財 |
| 指定年 | 明治40年(1907年)5月27日指定 |
| 員数 | 1棟(附 棟札9枚) |
| 寸法 | 五間社流造、柿葺 |
| 所有者 | 宗像大社 |
| 公開状況 | 境内は参拝可。本殿内部は非公開 |
参考文献
- 宗像神社辺津宮本殿(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/3487
- 辺津宮(宗像大社公式サイト)
- https://munakata-taisha.or.jp/about_hetsu.html
- グラフふくおか 2017秋号 特集(福岡県)
- https://www.pref.fukuoka.lg.jp/somu/graph-f/2017autumn/plan/plan_01.html
- 辺津宮の歩き方(観光庁 地域観光資源の多言語解説文データベース)
- https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/R1-00740.html
- 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 多言語解説文案(福岡県)
- https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/267839.pdf
最終更新日: 2026.10.29