天野家住宅外便所とは

天野家住宅外便所は、福島県南相馬市小高区耳谷にある大正前期(1912〜1918年頃)建築の木造の便所棟で、平成30年(2018年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「あまのけじゅうたくそとべんじょ」。

天野家住宅外便所は木造平屋建、瓦葺で、建築面積は5.6㎡しかない。天野家住宅の6件のなかで最も小さな建物である。敷地の東北部、主屋の東方に、西を正面にして建つ。

天野家住宅外便所の登録と評価

天野家住宅外便所は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録有形文化財に登録された。登録番号は07-0205である。

文化庁の解説は、天野家住宅外便所を小ぶりな附属建物でありながら繊細な意匠をもつ優れた作としている。平成30年(2018年)7月20日の文化審議会の答申も、要所を数寄屋風に仕上げた附属建物として、主屋や蔵と並べて取り上げた。

便所のような附属屋は、建て替えや取り壊しで失われやすい。母屋や蔵と同じ時代の便所棟が、仕上げまで含めて屋敷に残っている点も、天野家住宅外便所が登録された背景として読める。

天野家住宅外便所の意匠

天野家住宅外便所は南北に棟を通した切妻造の平屋である。内部は3つに分かれ、南端が開放された小便所、中央と北端が大便所になる。

目を向けたいのは軒まわりだ。梁を壁の外まで延ばし、その先で軒桁を持ち出して深い軒を支えている。軒の裏は軒天井として仕上げ、細い竹や木の小舞を数本ずつ寄せて並べる吹寄せの野地を見せる。

こうした軒の扱いは、茶室や数寄屋造の建物に通じる手法である。広さ5.6㎡の便所棟に、座敷まわりと同じ水準の手間をかけている。天野家住宅外便所の見どころは、規模ではなくこの細部にある。

主屋の背面にも風呂と便所が張り出している。屋外にもう1棟、意匠を凝らした天野家住宅外便所を構えた理由や、2つの便所の使い分けは、公開されている資料には書かれていない。

天野家住宅外便所の見学

天野家住宅外便所は個人の住まいの一部で、公開されていない。

天野家住宅外便所は敷地の東北部、屋敷の奥にあたる位置に建つ。南の正面からは主屋や蔵に隠れるため、外から見るのは難しいと考えられるが、現地では確かめていない。敷地には入らないでほしい。

Q&A

Q天野家住宅外便所はいつ建てられましたか?
A大正前期(1912〜1918年頃)に建てられました。
Q天野家住宅外便所の大きさは?
A木造平屋建、瓦葺で、建築面積は5.6㎡です。天野家住宅で最も小さな建物です。
Q天野家住宅外便所の内部はどうなっていますか?
A南端に開放の小便所、中央と北端に大便所の3区画があります。
Q天野家住宅外便所はなぜ登録有形文化財なのですか?
A平成30年(2018年)に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録されました。梁を延ばして軒桁を持ち出し、吹寄せ小舞野地の軒天井を張るなど、要所を数寄屋風に仕上げた繊細な意匠が評価されています。
Q天野家住宅外便所は見学できますか?
A個人の住まいの一部で、公開されていません。敷地の奥にあるため、外から見るのも難しいと考えられます。

基本情報

名称天野家住宅外便所
所在地福島県南相馬市小高区耳谷字桃内28
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成30年(2018年)登録
員数1棟
寸法建築面積5.6㎡
所有者個人
公開状況非公開(個人の住宅)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)天野家住宅外便所
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012490
文化遺産オンライン 天野家住宅外便所
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/413405
文化庁 登録有形文化財(建造物)の登録について(平成30年7月20日 文化審議会答申)(PDF)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/r1392281_31.pdf
南相馬市 指定文化財一覧(PDF)
https://www.city.minamisoma.lg.jp/material/files/group/43/siteibunkazai.pdf

最終更新日: 2026.10.01