旧伊達郡役所とは:塔屋を頂く明治の擬洋風役所

旧伊達郡役所(だてぐんやくしょ)は、福島県伊達郡桑折町字陣屋にある明治16年(1883年)築の木造の郡役所庁舎で、昭和52年(1977年)6月27日に国の重要文化財に指定された。

文化庁の記録では、木造で二階建て一部一階、玄関と中央部に塔屋が付き、屋根は桟瓦葺、建築面積は376.2平方メートルである。所有者は桑折町。

文化庁は旧伊達郡役所を、郡役所として残る建物のうちで最大規模をもつ擬洋風建築と評している。

旧伊達郡役所の歩み:誘致された郡役所

桑折町によると、伊達郡の郡役所は明治12年(1879年)に保原に置かれた。その後、桑折の有志による誘致運動で明治16年(1883年)4月に桑折へ移り、このとき擬洋風の庁舎が新築された。

建築当初の姿を象徴していた中央の塔屋は、揺れが大きいという理由で明治20年(1887年)に取り外された。現在見られる塔屋は、昭和54年(1979年)の工事で復元されたものである。

旧伊達郡役所が重要文化財である理由

文化庁の解説は、旧伊達郡役所を質がよく改変も少ない擬洋風建築とし、明治初期の建築の特徴をよく示していると評価する。とくに東北地方に残るものとしては優品であるという。

桑折町は建物の特徴として、切石を積んだ基礎、ベランダを張り出したペンキ塗りの下見板張の壁、正面の総二階と中央の塔屋を挙げる。軒には化粧垂木を模した飾りと円形の刳り蛇腹を付け、窓はすべてガラス入りの上げ下げ窓とする。洋風を写しながら、ところどころに和風を取り入れている点が、擬洋風と呼ばれるゆえんである。

旧伊達郡役所の見どころ:塔屋と軒まわり

正面に立ったら、まず中央の塔屋を見上げたい。明治20年(1887年)にいったん失われ、昭和54年(1979年)に当初の形へ戻された部分で、この建物の輪郭を決めている。

次に軒下に目を移すと、垂木の端を並べたように見せる飾りと、円形に刳った蛇腹が続く。二階に張り出したベランダと、上げ下げ窓の並びも、正面からよく分かる。

旧伊達郡役所の見学方法

桑折町によると、旧伊達郡役所の開館時間は午前9時から午後5時(最終入館は午後4時30分)で、休館日は毎週月曜日と祝日の翌日(月曜日が祝日の場合は火曜日)。入館は無料で、電話は024-582-5507である。

敷地内では桑折町が歴史観光交流センターの新築工事を行っており、工事期間中も見学はできるが、正門は通れない。正門東側の通用口から敷地に入る。交通は、東北観光推進機構によるとJR東北本線桑折駅から徒歩約20分、東北中央自動車道伊達桑折インターチェンジから車で約10分である。

Q&A

Q旧伊達郡役所はいつ建てられたのですか?
A明治16年(1883年)に、保原から移された郡役所の庁舎として新築されました。
Q旧伊達郡役所はなぜ重要文化財なのですか?
A郡役所として残る建物で最大規模の擬洋風建築で、改変が少なく明治初期の特徴をよく示すためです。昭和52年(1977年)に指定されました。
Q旧伊達郡役所の塔屋は当時のものですか?
A明治20年(1887年)に揺れを理由に撤去され、昭和54年(1979年)の工事で復元されたものです。
Q旧伊達郡役所の開館時間と入館料は?
A午前9時から午後5時(最終入館午後4時30分)で、入館は無料です。月曜日と祝日の翌日は休館です。
Q旧伊達郡役所への行き方は?
AJR東北本線桑折駅から徒歩約20分です。工事期間中は正門東側の通用口から入ります。

基本情報

名称旧伊達郡役所(だてぐんやくしょ)
所在地福島県伊達郡桑折町字陣屋12番地
指定区分重要文化財(建造物)
指定年昭和52年(1977年)6月27日指定
員数1棟
寸法木造二階建一部一階、塔屋付、桟瓦葺、建築面積376.2平方メートル
所有者桑折町
公開状況公開。午前9時から午後5時、月曜・祝日の翌日休館、入館無料

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「旧伊達郡役所」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/210
文化遺産オンライン「旧伊達郡役所」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/192870
桑折町「旧伊達郡役所」
https://www.town.koori.fukushima.jp/site/kanko/1759.html
東北観光推進機構「旧伊達郡役所」
https://www.tohokukanko.jp/attractions/detail_1005848.html

最終更新日: 2026.09.27