寺の暮らしを引き受けてきた建物

興國山徳昌寺庫裡は、福島県南会津郡南会津町田島にある曹洞宗寺院の庫裏で、文政3年(1820年)に建てられ、平成13年(2001年)4月24日に登録有形文化財となった。木造平屋建、銅板葺で、建築面積は297平方メートルある。

本堂の北西に建つ。南北を棟の向きとし、南面が入母屋造、北面が切妻造になる。ひとつの棟で屋根の形が南北で変わるという、あまり見かけない構成をとる。

庫裡は寺の台所であり、住職の住まいであり、事務所でもある。本堂が儀式の場であるのに対し、こちらは日々の暮らしを引き受ける建物にあたる。登録番号は07-0050。

なぜ登録されたのか

興國山徳昌寺庫裡の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。

評価されたのは外観である。文化庁の解説は、入口側の北の妻面を大きくみせ、高い庇を廻すなど、一般民家と異なる外観をもつと記す。平面は6間取形式で民家に近いが、外から見たときの顔つきが民家ではない。

建立年が分かっている点も重要である。部材に残る墨書から文政3年(1820年)と判明している。文書ではなく建物そのものが年代を語っており、同じ境内の金毘羅堂が銘札で年代を示すのと同じ性格をもつ。

民家の間取り、寺の顔つき

平面は6間取形式をとる。田の字に部屋を並べる民家の形式で、南側に床と棚を備えた座敷を配し、北側を土間とする。座敷と土間という組み合わせも、農村部の民家と共通する。

違うのは外観である。入口のある北の妻面を大きく見せ、そこに高い庇を廻す。民家であれば正面はもっと低く抑えられるところを、この建物は上へ伸ばしている。寺の建物としての格がそこに出ている。

興國山徳昌寺庫裡で確かめたいのは、南北で屋根の形が変わることである。南面は入母屋造で本堂の側を向き、北面は切妻造で入口の側を向く。同じ棟でありながら、向く相手によって顔を変えている。

見学方法

興國山徳昌寺庫裡は現役の建物である。住職の生活の場と寺務所を兼ねるため、内部は見学を受け付ける場所ではない。

外観は境内からいつでも見られる。北の妻面と高い庇は入口の側から、南面の入母屋造は本堂の側から見るとよい。2面を見比べれば、屋根の形が変わっていることが分かる。撮影は外観については問題ない。

行き方・電話連絡先・境内の他の見どころは、興國山徳昌寺のページにまとめてある。

Q&A

Q興國山徳昌寺庫裡とは何をする建物ですか。
A寺の台所であり、住職の住まいであり、事務所でもある建物です。儀式の場である本堂に対し、日々の暮らしを引き受けます。
Q興國山徳昌寺庫裡の建立年はどう分かったのですか。
A部材に残る墨書からです。文政3年(1820年)の建立と判明しています。
Q興國山徳昌寺庫裡の屋根はどうなっていますか。
A南面が入母屋造、北面が切妻造です。ひとつの棟で南北の屋根の形が変わります。
Q興國山徳昌寺庫裡の内部は見学できますか。
Aできません。住職の生活の場と寺務所を兼ねる現役の建物です。外観は境内からいつでも見られます。
Q興國山徳昌寺庫裡の登録番号は何番ですか。
A07-0050です。平成13年(2001年)4月24日に登録有形文化財となりました。

基本データ

名称興國山徳昌寺庫裡
所在地福島県南会津郡南会津町田島字寺前甲2970
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成13年(2001年)登録
員数1棟
寸法木造平屋建、銅板葺、建築面積297平方メートル
所有者宗教法人徳昌寺
公開状況外観は境内から常時見学可。内部は寺務に使用

参考文献

国指定文化財等データベース 興國山徳昌寺庫裡(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002112
日本遺産 会津の三十三観音めぐり 第十五番札所 田島 徳昌寺
https://aizu33.jp/cultural_assets/399/
徳昌寺(南会津町観光物産協会)
https://www.aizu-concierge.com/spot/2141/

最終更新日: 2026.09.17