茶室の西に接続する昭和20年の書斎棟

松本家住宅離れは、福島県いわき市中之作の松本家住宅に建つ昭和20年(1945年)の書斎棟で、平成10年(1998年)12月11日に登録有形文化財となった。木造平屋建、瓦葺で、建築面積は39平方メートルある。

松本家住宅離れは、屋敷地の北東にある茶室の西側に接続して建つ。屋根は寄棟造で、登録番号は07-0027。文化庁の解説によれば、東京・八王子の大工棟梁、大塚桃太郎が手がけた。

縁と廊下に囲まれた10畳大の洋室

松本家住宅離れの中心は、10畳大の洋室1室である。その周りを縁と廊下が取り巻き、部屋は外から一段奥に守られた位置にある。

書棚と出窓は、建てられた当初から備わっていたものである。文化庁はこの点から、離れが書斎として造られたと説明している。本を収める棚を後から置いたのではなく、最初から部屋の一部として造り付けたところに、施主がこの部屋に求めた用途がはっきり表れている。

寄棟造の瓦屋根と縁という和風の外回りの内側に、洋室を収める組み立てである。隣の茶室が和の接客の場であるのに対し、離れは主が本と向き合う場として性格を分けている。

なぜ登録されたのか

松本家住宅離れの登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁は、天保6年(1835年)から酒造業を営む旧家の生活文化の一端を知るうえで貴重な遺構と評価している。

手がけた大工の名が記録に残っている点も、この建物の価値を支えている。いわき市の登録有形文化財のなかでは、茶室とともに最も早く登録された1棟である。

見どころ

松本家住宅離れで見たいのは、出窓と書棚という書斎の造作である。出窓は室内に光を多く採り入れる造りで、造り付けの書棚とあわせて、読み書きのための部屋として計画されたことが分かる。

もう1つは、茶室との接し方である。和室で構成された茶室棟と、洋室を中心とする書斎棟がじかにつながり、松本家住宅のこの一角だけで、もてなしの場と私的な書斎が並んでいる。

見学方法

松本家住宅離れは個人が所有する住まいの一部で、内部は公開されていない。公開の案内も見当たらない(2026年10月時点)。

松本家住宅離れは屋敷地の内側に建ち、公道からどの程度見えるかは公表資料では確認できなかった。敷地に立ち入ることはできず、撮影も公道からに限られる。

Q&A

Q松本家住宅離れは見学できますか。
A個人が所有する住まいの一部で、内部は公開されていません。公開の案内も見当たらず(2026年10月時点)、敷地に立ち入ることはできません。
Q松本家住宅離れはいつ建てられ、いつ登録されましたか。
A昭和20年(1945年)の建築で、平成10年(1998年)12月11日に登録有形文化財となりました。登録番号は07-0027です。
Q松本家住宅離れは誰が建てましたか。
A文化庁の解説によれば、東京・八王子の大工棟梁、大塚桃太郎が手がけました。
Q松本家住宅離れの内部はどうなっていますか。
A10畳大の洋室の周りに縁と廊下が付きます。書棚と出窓は当初からのもので、書斎として造られました。
Q松本家住宅離れと茶室はどうつながっていますか。
A離れは屋敷地の北東にある茶室の西側に接続して建ちます。茶室は切妻造、離れは寄棟造で、2棟は同じ日に登録されました。

基本データ

名称松本家住宅離れ
所在地福島県いわき市中之作字榎戸31-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成10年(1998年)12月11日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積39平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(公開の案内なし)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):松本家住宅離れ
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000942
文化遺産オンライン:松本家住宅離れ
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/166252
いわき市:いわき市の国登録有形文化財(令和元年(2019年)9月10日現在)
https://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000004791/files/tourokubunkazai.pdf

最終更新日: 2026.10.07