矢吹家住宅主屋とは

矢吹家住宅主屋は、福島県福島市成川字上谷地にある矢吹家の屋敷の中ほどに南を向いて建つ明治45年(1912年)の住宅で、平成27年(2015年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「やぶきけじゅうたくしゅおく」。

矢吹家住宅主屋は木造2階建で、桁行は24メートル、建築面積は357平方メートルある。屋根は茅葺で、いまは茅の上を鉄板で仮に覆っている。矢吹家住宅に登録された11件のなかでは群を抜いて大きく、ほかの棟はいずれも建築面積100平方メートルに届かない。

県北の民家の発展形を示す主屋

矢吹家住宅主屋は、登録基準のうち「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録有形文化財になった。文化庁の解説は加えて、この主屋が福島県北部の民家の発展した姿を示すと評価している。

根拠に挙げられているのが屋根の形である。土間の上にあたる部分の屋根を切り上げた形で、この地方ではアズマヅクリと呼ばれる。大きな茅葺屋根の一端を持ち上げ、土間の側に開きをつくる工夫である。

明治も終わりの年に、茅葺のまま2階建の大きな主屋を建てた。古くからの屋根の技術と、明治末の住まいの規模が一つの建物に重なっている。

4列に並ぶ居室と西端の座敷

矢吹家住宅主屋の間取りは、居室を4列に並べた構成である。土間に近い列に客用の玄関を構え、2列目を大広間とし、いちばん西の列を上質な座敷として、まわりに縁をめぐらす。

土間は主屋の東の端にある。家の者は土間から出入りし、客は専用の玄関から上がる。土間から西へ進むにつれて部屋の格が上がり、縁に囲まれた西端の座敷が最も上等な部屋になる。

矢吹家住宅主屋の背面には昭和初期の新座敷が接続し、西の座敷の外側には文庫蔵が建つ。主屋の間取りが、のちに加えられた座敷や蔵の位置まで決めていることが分かる。

矢吹家住宅主屋の見学

矢吹家住宅主屋は矢吹家の屋敷の建物で、内部は公開されていない。一般公開や特別公開の案内も見当たらない(2026年10月確認)。

矢吹家住宅主屋は敷地の中ほどにあり、通りに面した東辺には表門や蔵が並ぶ。道路から見えるのは、表門越しの大屋根の一部にとどまるとみられる。アズマヅクリの切り上げは土間の側、つまり東の端にあたるので、見るなら東の通りからになる。撮影は公道からにとどめたい。屋敷への行き方は矢吹家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q矢吹家住宅主屋はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは明治45年(1912年)の建築です。平成27年(2015年)に登録有形文化財に登録されました。
Q矢吹家住宅主屋の「アズマヅクリ」とは何ですか?
A土間側の屋根を切り上げた屋根の形で、この地方での呼び名です。文化庁の解説は、この形式などから県北の民家の発展した姿を示すとしています。
Q矢吹家住宅主屋はどのくらいの大きさですか?
A木造2階建で、桁行24メートル、建築面積357平方メートルです。矢吹家住宅の11件のなかで最も大きな建物です。
Q矢吹家住宅主屋の間取りはどうなっていますか?
A居室を4列に並べ、土間寄りの列に客用玄関、2列目に大広間、西端の列に縁をめぐらせた上質な座敷を置いています。
Q矢吹家住宅主屋は見学できますか?
A内部は公開されていません。敷地の中ほどに建つため、道路から見えるのは屋根の一部とみられます。

基本情報

名称矢吹家住宅主屋
所在地福島県福島市成川字上谷地35
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成27年(2015年)登録
員数1棟
寸法建築面積357㎡(桁行24m)
所有者記載なし(文化庁データベースの所有者欄は空欄)
公開状況一般公開の案内なし(外観は道路から)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)矢吹家住宅主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010409
文化遺産オンライン 矢吹家住宅主屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/286180
福島市 福島市の文化財 -登録有形文化財(建造物) 66件-
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/soshiki/7/1032/2/1/3/725.html

最終更新日: 2026.10.01