舟底天井とは

舟底天井は、中央を高くして両側へ向かって傾斜させた天井である。部屋の断面で見ると、舟の底を逆さにして内側から見上げたような形になる。JAANUS(日本建築・美術用語辞典)は、天井板を棟と平行に通し、中央から両側の桁に向かって下がる形と説明し、屋形天井とも呼ぶとしている。

JAANUSによれば、現存最古の例は京都の三千院本堂(久安4年・1148年)で、阿弥陀三尊を安置する身舎の上だけを舟底天井とし、天人の絵を描いている。仏堂では本尊の上を高く見せる天井として使われた。

近代の住宅では、茶室や数寄屋風の座敷に用いられることが多い。兵庫県姫路市の旧藤森家住宅西方庵(昭和5年)は、茶室全面を竹簾の舟底天井とし、新潟市の料亭行形亭三番の間(明治10年)は、内部を掛込天井と舟底天井の形式とする。

見るときの手がかり

部屋の中央に立って天井を見上げ、棟の方向に沿って中央が一本の線で高くなり、両側へ傾斜して下がっていれば舟底天井である。平らな竿縁天井や格子を組む格天井とは、断面の形で区別できる。

屋根の裏側をそのまま見せる化粧屋根裏も、切妻屋根の下では似た形になる。JAANUSは、切妻屋根の下面が同じような形をしていても舟底天井とは呼ばないと注意している。天井板を張って仕上げているか、垂木や野地板が見えているかで判断する。

記録では、部屋や建物の特色として「舟底天井とする」と書かれる。記事では記録の記述に従い、天井の形を写真だけから推定して書かないようにする。

参考文献

JAANUS(Japanese Architecture and Art Net Users System)funazoko tenjo 舟底天井
https://projects.mcah.columbia.edu/jaanus/record/funazokotenjo
国指定文化財等データベース(文化庁)旧藤森家住宅西方庵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014277
国指定文化財等データベース(文化庁)行形亭三番の間
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001585
国指定文化財等データベース(文化庁)井上家住宅(旧岩田家住宅)長屋門
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00014663

最終更新: 2026.10.04